「金沢八景」という名称は、中国の「瀟湘八景」に由来しますが、中世以来内海が広がる金沢の風景は杭州の西湖のイメージにも重ねられました。鎌倉幕府滅亡後も、金沢の風光は古都鎌倉の栄枯盛衰の郷愁をまといながら室町時代の禅僧たちを魅了しました。万里集九(1428~1507)は鎌倉の禅僧の案内で金沢称名寺を訪れ、金沢北条氏がかつて杭州から移植したという「西湖梅」にちなみ漢詩を残しています。この頃、鎌倉五山文化の中心にいたのは、玉隠や上洛して室町将軍家の宋元画に学び東国に清新な画風を伝えた祥啓でした。
本展では、瀟湘八景図や入明した雪舟が日本にもたらしたといわれる西湖図の系譜から唐土景勝図の受容の諸相をひもとくとともに、「西湖梅」をめぐる禅僧たちの交流を手がかりに15世紀の東国文化の成熟をご覧頂きます。
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