「ジオラマ」といえば、現在では模型を使ってさまざまな場面や情景を再現したもの(情景模型)を意味するようになっています。しかし、もともと「ジオラマ(diorama)」とは、写真の発明で知られるルイ・ダゲールによって考案された、光学的な仕掛けを用いた見世物のことであり、そのルーツをのぞきからくりに求めることができます。平面的な絵やごく限られた情景模型を別の世界のように錯覚させる一種のヴァーチャル・リアリティ、それこそが「ジオラマ」だったのです。 滋賀県長浜市にある海洋堂フィギュアミュージアム黒壁で製作されている「ボックスジオラマ」は、そうした「ジオラマ」本来の特性を持ったものと言えます。この展覧会では、当館蔵「入江コレクション」の光学玩具・組上絵と、海洋堂フィギュアミュージアム黒壁の「ボックスジオラマ」を通じて、ジオラマの歴史をたどるとともに、その不思議な視覚世界へと観覧者をいざなうものです。
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