大正7年(1918)、米価の急騰により困窮した民衆が米屋などを襲撃する米騒動が全国で発生しました。大阪では騒動後の同年10月に大阪府方面委員制度が創設され、担当区域内の住民生活を調査し、生活困窮者を救済するという仕事を無給で行う方面委員(現民生委員)が設置されました。
この展覧会は、米騒動発生と方面委員創設から100年にあたる記念すべき年に大阪で方面委員が創設された歴史的意義を明らかにするために開催するものです。そのため第一に、米騒動前から事業を始めていた様々な社会事業施設の活動について、方面委員制度との違いを意識しながら紹介します。第二に、大阪での米騒動の発生から収束までの過程を、発生時期や発生場所などに注目しながら明らかにします。第三に、創設期方面委員による活動の実態について公文書や方面委員の遺品などを紹介しながら明らかにします。
以上のような展示内容を通して本展では、方面委員制度が従来の社会事業と異なり、民間の委員による日常的な調査活動を通して生活困窮者の生活事情に柔軟に対応するよう設計された新しい福祉制度であったことを示します。また、当時の人々が米騒動に参加した事情に思いをはせ、彼らが大阪という都市社会で日々どのような暮らしをしていたのか、理解していただく機会となります。
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