住吉は大阪の歴史・文化を語る上で欠かせない地域ですが、地域の歴史、遺跡の変遷などは必ずしも明らかとはいえません。かつては住吉大社の周辺には寺院が数多くあり、その中でも住吉神宮寺、荘厳浄土寺は規模の大きなものとして知られていました。こうした神仏混淆の名残りは今なお住吉の各所に残っていますが、発掘調査によってもかつての姿がわかりつつあります。
また、住吉の歴史で一貫して中心的な役割を担ったのが住吉神主を輩出した津守氏です。津守氏は、その名のとおり海や航海と深く関わっていました。古代住吉の港としては住吉津(すみのえのつ)が有名ですが、発掘では榎津の調査が進んでおり、その成果も紹介します。また、津守氏の居館は南北朝時代に南朝の後村上天皇が一時、行宮(あんぐう)としたことでも知られます。津守氏の居館跡の調査も進んでおり、出土した多くの遺物も展示します。
発掘された資料を通じて、古代、中世の住吉の豊かな歴史にふれていただければと思います。
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