カラフルなきのこ、かわった形のきのこ、突然現れるきのこ、ちょっと怖い毒きのこ。「きのこ」は学校では教えてもらえない、不思議な生き物として多くの人々の興味を誘う存在です。また、モチーフとしても様々なグッズやデザインに用いられる愛される生き物でもあります。
また、きのこは食文化の中にもしっかり根ざしてきました。かつて、蹴飛ばすほど取れたと言われ、今は絶滅危惧種とされるマツタケ。アカマツと共生するマツタケは、薪や草を刈っていた痩せた山によく生えたといいます。和食のうま味の重要な要素であるシイタケも、本来は暖地に生えるシイノキの枯れ木からはえる野生のきのこでした。これが明治に広がったクヌギの生産とともに各地で栽培されるようになりました。大阪の海岸の松林で取られた松露(ショウロ)、やはり松林の濕地(シメジ)。東北や信州で野生のきのこの食文化がなぜ豊かで、そしてなぜ失われつつあるのか。きのこからは、その向こうに地域の自然や暮らしが見えてきます。
こうしたきのこを、フリーズドライ標本、精密な絵画、先人の研究などを通してじっくり学び、楽しみ、鑑賞できる特別展になります。きのこを通して、「里山」と呼ばれる身近に利用してきた山林の自然についても理解を深めることができるよう工夫をこらしています。
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