江戸時代も終わりにさしかかった天保期(1830~44)は、老中・水野忠邦が主導する幕政改革が進められ、諸藩においても財政再建などの藩政改革が推し進められた時期にあたります。薩摩藩は大坂で、借銀(しゃくぎん)の「踏み倒し」に近い大胆な改革を行い、のちに雄藩として台頭する条件を整備していきました。一方、天災や飢饉が相ついだのも天保期の特徴で、救民を訴え、大坂町奉行所の与力・大塩平八郎(1793~1837)らが蜂起した事件は、のちの倒幕の遠因になったともいわれます。
本展示では、既存の権威が失墜を見せはじめるとともに、時代を動かすあらたな動力が芽生えていった時期として天保期をとらえ、天保という時代が持った光と陰の両面に注目します。明治維新を歴史的な文脈で理解するためにも、起点となった天保期のダイナミズムを感じていただければ幸いです。
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