矢内原伊作

コレクション特集展示 ジャコメッティと Ⅰ

ARTLOGUE 編集部2019/04/12(金) - 02:31 に投稿
20世紀最大の彫刻家であるジャコメッティの研究において、哲学者・矢内原伊作(1918-89)の存在はとても大きなものです。矢内原は1956年から1961年の間に繰り返し渡仏し、そのモデルを務めました。しかし、矢内原をモデルとしたブロンズ彫刻のうち完成に至ったのは二作品のみで、すぺての鋳造を合わせても七体しか現存していません。そのうちの一つが、2018年に国立国際美術館のコレクションに加わリました。矢内原をモデルとしたジャコメッティの彫刻作品が日本国内に収蔵されるのは初めてのことです。 当館ではジャコメッティの油彩画《男》(1956)を2013年に収蔵しており、「見えるものを見えるとおりに」表現するべく、ジャコメッティが人生を賭して取リ組み続けた絵画と彫刻の両方を観ることができます。 本展では当館のコレクションに加え、神奈川県立近代美術館、石槙財団ブリヂストン美術館、富山県美術館、国立西洋美術館の所蔵作品をお借りし、ジャコメッティと矢内原の世界に迫ります。また、矢内原がモデルを務める間に書き留めた手帖に加えて、パリなどで撮影した写真を全て公開します。合わせて、ジャコメッティが生きた時代を中心に、絵画や彫刻による人物像の表現も所蔵品よりご紹介します。