「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス-さざめく亡霊たち」 東京都庭園美術館 : フォト & ビデオレポート
フランス現代美術界の巨匠クリスチャン・ボ ルタンスキーの展覧会が東京都庭園美術館で開催中です。
ボルタンスキーは、映像作品やパフォーマンス性の高い作品を 制作していた初期から現在まで一貫して、歴史の中で濾過される記憶の蘇生、匿名の個人/集団の生(存在) と死(消滅)を表現してきました。
会場の東京都庭園美術館は、旧朝香宮邸(1933年竣工、国の重要文化財)であり、アール・デコ様式の邸宅を改築した美術館です。 中に入ると一見、邸宅の調度品以外は何もないように思いますが、歩いていると、どこからともなく誰かの声が聞こえてきます。 これは、ボルタンスキーが旧朝香宮邸に往来していた人たちや、そこでの会話を想像し、しかし、実際に起きたことではなく、時空間を超越した匿名の存在としての「亡霊たち」に語らせた言葉です。
他にも、かつて書庫だった部屋では豊島でサンプリングされた「心臓音のアーカイブ」(2010年)より提供された、「誰か」の心臓音に合わせて電球が明滅する《心臓音》(2005年)や、大量の古着を黄金のエマージェンシー・ブランケットで覆った巨大な山のような《帰郷》(2016年)なども展示されています。
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