特集展示「隅田川七福神と向島の名所」
江戸時代の向島は広大な田畑が広がる田園地帯でした。隅田川の清流沿いには由緒のある古刹が建ち並び、人々はこぞって参拝しました。文人たちも多くこの地を訪れ、俳句や詩歌などの作品を残しています。
百花園園主佐原菊塢は、大田南畝、加藤千蔭、酒井抱一など親交のある文人達と、向島地域で七福神の神々にゆかりのある神社仏閣を選び、それらに百花園を加えて隅田川七福神を創始したと伝えられています。七福神を巡りながら風情ある向島を散策できる隅田川七福神巡りは次第に江戸庶民に広まり、今日では新春を祝う初詣の風習として多くの参詣客で賑わっています。
本展示では、正月の風物詩となった隅田川七福神巡りの歴史を紐解きつつ、江戸の人々に愛された向島の風景を浮世絵などから紹介します。