水墨画

ピーター・ドラッカー・コレクション水墨画名品展

ARTLOGUE 編集部2019/04/12(金) - 02:30 に投稿
2015年春、千葉市美術館では「ドラッカー・コレクション珠玉の水墨画─『マネジメントの父』が愛した日本の美─」を企画し、巡回先の美術館と協同して開催しました。「マネジメントの父」と称えられ日本でも絶大な信頼を得てきた経営学者ピーター・F・ドラッカー(1909-2005)の、アメリカ・カリフォルニア州クレアモントの自宅に保管されてきた日本絵画のコレクションから111点を借用した展観でした。 そのドラッカー・コレクションの全197点が、その後日本の企業によって取得され、このたび千葉市美術館に寄託されました。ドラッカー夫妻が30年以上にわたって熟慮のうえ収集し、書斎で日々楽しみ学び、思索を深める手段でもあった作品の全てが散逸することなく日本に戻り、さらに、公立美術館のもとに保存・管理が委ねられ、調査研究や展示などの活用に供される運びとなったのです。 本展はこの寄託を記念し披露目のために開催するものです。若きドラッカーが1930年代のロンドンで出会い「恋に落ちた」日本美術とは─。「正気を取り戻し、世界への視野を正すために日本美術を見る」と言っていたドラッカー。高度成長期以来の日本に毎年のように招聘されるたびに熱心に作品を見て収集した彼が最も好んだのは、日本の水墨山水図でした。稀少な室町時代の水墨画を最大の特色とする個性的なこのコレクションの真髄をご覧いただきます。 前回の展覧会を見逃した方も、そうでない方も是非、あらためてお楽しみいただけるよう、その後判明したドラッカーの収集に関する新しい資料も交えた約50点で展示を構成いたします。雪村から若冲まで──。どうぞご期待ください。

国宝の殿堂 藤田美術館展-曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき-

ARTLOGUE 編集部2019/01/23(水) - 02:34 に投稿
本展覧会は、2022年春のリニューアルオープンに向けて、現在休館している藤田美術館の国宝9件、重要文化財約50件を含むコレクションの全貌を奈良国立博物館新館の全展示室を使って紹介するかつてない規模の展示となります。 展覧会開催に際して総合的な学術調査も行い、その成果も紹介します。 世界に3碗しか現存しないといわれている国宝の「曜変天目茶碗」をはじめ、「玄奘三蔵絵」や「仏功徳蒔絵経箱」など奈良ゆかりの仏教美術を中心に、館外初公開を含む多彩なコレクションを通じ、膨大な私財を投じて文化財の保護に尽力した藤田傳三郎らの功績にも光を当てていきます。

長谷川等伯展 〜屏風・襖-大画面作品を中心に〜

ARTLOGUE 編集部2019/01/15(火) - 10:47 に投稿
能登七尾出身で桃山時代に大活躍した絵師・長谷川等伯(1539~1610)は、京都移住後の50歳以降の時期を中心に、彩色画・水墨画の双方で数多くの「大画面作品」を制作しました。 ​​​​​​​今回で24回目の開催となる「長谷川等伯展」は「大画面作品」がテーマ。等伯晩年期制作の水墨による屏風や襖を中心に、若年期制作の仏画や「長谷川派」絵師による絵画もあわせ、作品や資料など計21点を紹介します。 等伯入魂の名品たちをぜひともご鑑賞ください。

東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:09 に投稿
伊藤若冲(1716-1800)は、江戸中期、京都に生まれた画家です。緻密な線描と極彩色の作品を手がける一方、伸びやかで自由な筆遣いとユーモラスな表現が特徴的な水墨画を数多く残しました。 若冲作品の魅力は、なんといっても、動物でも植物でも生きものたちに等しく向けられた画家の眼差しが捉えた、生命の耀きに他なりません。 作品を目の前にした人は、そこに命あるものの力強い生きる力を感じ取ることができるでしょう。 本展では、そうした若冲芸術の魅力を堪能していただくとともに、晩年、天明の大火(1788年)で焼け野原になった故郷・京都を目のあたりにした若冲の、復興に寄せた気持ち、芸術に託した想いもご紹介したいと考えています。 また、アメリカのデンバー美術館、ミネアポリス美術館などのご協力をいただき、海外の人たちが愛した故に日本を離れることになった作品もご覧いただきます。 2013年、福島県立美術館では、プライスご夫妻の多大なご協力のもとに「若冲がきてくれました」展を開催し、深い感動を与えました。 本展は、前回とは異なった視点から再び若冲芸術を見直すことで、あらためてその魅力を伝え、感動と喜びを通して心の安らぎとともに生命のエネルギーを感じていただき、東日本大震災からの復興祈念とするものです。