堀内正和

コレクション展 モダンなフォルム

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 12:47 に投稿
同館の名称にも掲げられた「モダン」(近代)という言葉。日本では一般に「現代的」、転じて「洒落た」イメージを指して使われ、一方では「モダン」という言葉自体がもはや「レトロ」な響きをも感じさせますが、本来は「新しさ」を意味するものです。 古典的な美や、それまでの潮流に対する新しさを追求した表現は、つねにモダンなものであったといえます。彫刻に斬新なユーモアや合理性を込めた堀内正和の個展にあわせて、絵画、彫刻、デザインなどの所蔵作品と資料から、各時代の作家たちが試みた「新しさのかたち」を展覧します。

堀内正和展 おもしろ楽しい心と形

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 12:47 に投稿
堀内正和(1911-2001)は、日本の抽象彫刻を代表する作家のひとりで、次世代の彫刻家たちに大きな影響を与えました。東京高等工芸学校在学中の1929年に18歳で第16回二科展に初入選。早くから抽象彫刻を志した堀内は、戦争中に一時制作を中断しますが、戦後、活動を再開させると、サンパウロ・ビエンナーレやインド・トリエンナーレなどにおいて、海外にも広く紹介されました。 堀内は、抽象彫刻の分野にあって触覚的な感覚を意識的に取り入れ、身体の一部や身の回りにある形をヒントに作品を制作しました。なかでも《ウィンクするMiMiちゃん》(1967年)や《指の股もまた股である》(1968年)といった、鑑賞者が覗き込むことで完成する「のぞき(NOZOKI)」の逆読みから命名された「IKOZON」彫刻では、独自のエロスやユーモアが存分に発揮されています。 本展では、具象から抽象へと変化を遂げた1950年代に着目しつつ、初期から晩年までを約40点の彫刻作品でたどります。さらに堀内の思考の過程で生み出された紙彫刻(ペーパー・スカルプチュア)を多数展示し、機知とユーモアあふれる作品を創り出した作家の思考を紐解きます。