グラフィックデザイン

DNPグラフィックデザイン・アーカイブ収蔵品展Ⅷ:蔵出し 仲條正義

ARTLOGUE 編集部2019/04/12(金) - 02:30 に投稿
日本のグラフィックデザイン界において独特の光を放つ存在、仲條正義(1933-)は、資生堂の企業文化誌『花椿』のアートディレクションや、資生堂パーラーのロゴ・パッケージのデザインで広くその名が知られています。彼の作品は非常に力強く、ただの「モノ」を超えたある種の力場が内包されているように感じられます。それは、中條自身が「円、方形、直線、すでに美しいとされるものは信じてはいけない」と述べている通り、既存の価値観を妄信することなく、常に他者や自分自身にすら疑問を持ち、時には矛盾や他者からの誤解をも恐れないで新しい表現を追求し続けるという姿勢から生まれるものではないでしょうか。そこから創出された作品の持つ「力」は、今なお若いデザイナーやクリエイターたちをもひきつけてやみません。 本展では、グラフィックデザインをはじめ編集・広告・アートディレクションなど、多方面で活耀する中條の仕事の中から、ポスターを中心に展示します。1970年代に開催された初個展の出品作品から最近作に至る約半世紀を展観し、彼のデザイン世界の軌跡をたどります。また中條が約40年間にわたりアートディレクションを手掛け、先鋭的なカルチャー誌というイメージを作り上げた資生堂『花椿』誌の一部もあわせて展示します。 新古や美醜、巧拙といった二元論的評価の枠には収まらない、中條デザインのもつ独特の世界観に触れる機会となりましたら幸いです。

わたしはどこにいる? 道標(サイン)をめぐるアートとデザイン

ARTLOGUE 編集部2019/02/05(火) - 02:33 に投稿
本展では「サイン=道標」に注目し、グラフィックデザイナーによるサインデザインと、場所との関係性を追究した現代美術作品をあわせてご紹介します。本展出品作品を通して、人間がどのように場所や空間を理解し、伝えようとしてきたのか、そしてその中でめぐらされる「わたしはどこにいる?」という問いに、「アート」と「デザイン」の双方から迫ります。

イメージコレクター・杉浦非水展

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:33 に投稿
杉浦非水(1876-1965)は、日本のグラフィックデザインの創成期に重要な役割を果たした図案家の一人として知られています。当館では非水のご遺族から1997年に一括寄贈されたポスター、絵はがき、原画など700点以上にのぼる作品を所蔵しています。 本展では非水の代表作である三越のためのポスターをはじめ、数多く手がけた雑誌の表紙デザインや装丁の仕事、身近な動植物を描いたスケッチなどを展示し、19年ぶりに当館の非水コレクションを一堂にご紹介します。 さらに今回は、非水が手元に残した海外の雑誌やスクラップブック、非水が撮影した16mmフィルムの映像など、貴重な旧蔵資料も初公開します。非水が何に関心を持ち、何を集めていたのか、図案の創作にいたるまでのプロセスと「イメージの収集家」という側面に焦点をあて、非水の多彩な活動を改めて検証します。 【前期】2019年2月9日(土)~4月7日(日) 【後期】2019年4月10日(水)~5月26日(日) 【会場】東京国立近代美術館 本館2階 ギャラリー4

グラフィックで科学を学ぼう 進化のものがたり展

ARTLOGUE 編集部2018/11/21(水) - 15:05 に投稿

「グラフィックで科学を学ぼう 進化のものがたり展」では、京都芸大ビジュアル・デザイン専攻の学生たちが、生物の進化について書かれた専門書を読み、その内容を子供たち(小学校 中・高学年)に伝えるためにデザインした作品を展示します。学生たちがデザインした作品は、ゲーム、映像、絵本など多岐に渡ります。

科学の知識は正確に伝えられなければなりません。説明文、図版、写真、どれも正確を期すことが求められますが、学生たちが子供たちに進化について伝えようとしたこれらの作品には全て、なんらかの「ものがたり」が加えられています。

また、この展覧会には、京都大学総合博物館所蔵近代教育掛図をパネルと画像で紹介しています。近代教育掛図は、京都帝国大学の学生たちが植物などを学ぶために世界各地から集められた図版です。通常このような図版は、正確である一方でやや退屈と感じることがあるものですが、近代教育掛図は、科学的視点から事実を伝えるという使命を超え、世界の深遠さを多角的に示唆する芸術性を感じさせる「作品」に昇華しているように感じられます。

学生たちが作った作品と近代教育掛図の図版からは、楽しく、美しく、情報が伝わります。

五十嵐威暢の世界 World of Takenobu Igarashi

ARTLOGUE 編集部2018/08/21(火) - 02:30 に投稿
日本を代表するデザイナーの一人である五十嵐威暢(いがらしたけのぶ)。グラフィックデザイナーとして活動していた1970年代半ば、建築設計用製図台を用いて二次元の文字を三次元におこした立体文字による作品で世界的に注目されます。また、サントリーや明治乳業、カルピス、サミットストアなどのロゴを手がけ、多くのロングライフデザイン