挿絵

ゑがき、ゑがく清方 ー その優美な絵の世界 ー

ARTLOGUE 編集部2019/01/16(水) - 02:31 に投稿
6歳で挿絵画家となった鏑木清方は、新聞の挿絵や、単行本、雑誌の口絵など数々の仕事を手がけていく中で着実に力をつけ、20代半ばには人気挿絵画家として認められるようになりました。 その一方で、日本画研究を目的に若手の日本画家の仲間と団体「烏合会(うごうかい)」を結成します。 さらに、浮世絵や南画の研究に取り組み、自身の表現を模索し、挿絵画家から日本画家へと転身を図りました。 清方の江戸情緒あふれる優美な美人画や市井の人々の暮らしを描いた作品は、大正そして昭和の日本画壇で高く評価されました。 しかし清方は、更なる創造を追い求め、肖像画や芝居絵、風景画などにも創作の幅を広げていきました。 本展覧会では、挿絵画家時代に描いた口絵や美人画をはじめとした日本画作品を展示し、清方の画業を紹介いたします。

絵本にみる日本画

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 12:56 に投稿
今日、絵本は人々に幅広く愛され、様々な物語が世代を超えて読み継がれています。 なかでも、話のあらすじに沿った挿絵は読者の想像力を高めるとともに、豊かな色彩や特徴ある表現を伴って、ストーリーに温かさや力強さを与えています。 昨今、絵本は子どもが楽しむばかりではなく、おとなにもその魅力を存分に伝えており、お気に入りの絵本を手元に置いて楽しむ方も多いようです。 こうした絵本の原画が、専門の絵本作家だけでなく、日本画家によっても手掛けられていることは、あまり知られていません。 そこでこの度、日本画家による絵本の仕事にスポットを当て紹介します。 本展ではまず、絵本原画を一作品として鑑賞いただき、そこに見られる日本画の要素や技法、そして絵本としての特性を踏まえた独特の表現などをご覧いただきます。 同時に、出品画家による本画作品も併せて展示し、両作品の表現の比較或いは、そこに通底する創意を鑑賞する機会ともしたいと思います。 日本の美術界を代表する日本画家たちによる絵本挿画が紡ぐ物語とのハーモニーを是非この機会にお楽しみ頂けましたら幸いです。

内田百閒が愛した「風船画伯」。失恋で裸踊り?自由奔放なさみしん坊、無欲の版画家・谷中安規

nanchatic2018/06/24(日) - 18:34 に投稿
内田百閒 作/谷中安規 画『王様の背中』より

 

版画誌『白と黒』のもとで活躍した対照的な2人の天才版画家、棟方志功と谷中安規。貧乏を友としながら、着るもの食べるものに無頓着な「風船画伯」として内田百閒に愛され、終戦の翌年に49歳で餓死した版画家・谷中安規を紹介します。