怖くてアートな写真たち : マースデン、ホフィン、ストッダード、マッキニー、ソベラッツ
筆者が、アマチュア風景写真家として活動していた、少々前の話になります。
夜景の撮影に熱中していた一時期、肝試しを趣味にする人たちのことを知って、ふと「心霊スポットの夜景を撮るのも一興ではないか」と思いつきました。そこで、その手の書籍や雑誌を何冊も読んで、心霊スポットの場所をリストアップし、5年かけて200か所近く、そういった場所を回りました。深夜にブランコがひとりでに揺れるという東京の谷中霊園から、貴族の令嬢の霊が出るロンドン郊外の古びた館に至るまで、様々な場所に出かけては写真におさめたものです。
ハワイの忘れ去られたような墓地や、北海道の人里離れたホテルの廃墟といった「知る人ぞ知る場所」は、それ自体が幻想的な絵になります。これにくわえて、幽霊が写ってくれたら、前衛的なアートして一級品になるかも、とひそかに期待しました。
しかし心霊写真は1枚も撮れず、写真熱も冷めてしまい、それっきりになってしまいました。
さて…世の中は広いもので、自分に似た考えで写真を撮り続けるアーティストが何人もいます。さすがに心霊写真を狙う酔狂な人は稀ですが、「怖い写真」というコンセプトで、コンテンポラリーアートとして成立させることに成功した写真家もいます。
今回は、そういった写真家の中から、筆者がえりすぐった人を紹介します。
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