ただ今ARTLOGUE VRで館内の常設作品を3DVRで公開中の十和田市現代美術館。美術館の室内だけで完結するのではなく、屋内展示室と屋外の空間とが交互に混ざり合いながら拡がる開放的な建築デザインがとても印象的です。
建築設計を手掛けた建築家・西沢立衛(にしざわりゅうえ)氏に3DVR「オンライン鑑賞コンテンツ」をご覧いただき、ご感想をQ&A形式でいただきました。
Q1. 3DVR「オンライン鑑賞コンテンツ」をご覧いただき、どのように感じられましたか?
A1. たいへん面白い試みだと思いました。なかなか現地に行きづらい今の時期に、建物を中から見る体験ができて、写真では得られない体験をすることができました。
Q2. 3DVRで建築の体験を再現できる可能性はあるでしょうか。
A2. 再現はできないと思います。むしろ現実には体験できない、3D独自の新しい室内空間を体験できるのが、面白いと思います。
Q3. どの部分が再現されていて、どこが再現できていないと思われますか?
A3. 全体の雰囲気がなんとなく現実の街・美術館と似ていると感じました。光や雪の色が、東京のそれとは全然違う、十和田らしさを感じました。展示室から展示室へ移動する時、真っ白な街を見ることができて、きれいだと感じ、再び訪れたくなりました。
建築の室内については、部屋のすべてを一発で見せようとすると、どうしても強い広角レンズとなって、さらに実際の雰囲気とは異なる室内になると感じます。広角によってアートも、多少歪みすぎのような気がしました。また、現実の建築よりも空間構成が複雑化しているように感じました。先のわからない迷路を歩いているような感覚があるのは、全体の中で自分を位置付けることが3Dだと難しいのかもしれません。
Q4. 従来、建築を伝えてきた写真や映像といったメディアに比べるといかがでしょうか。
A4. 写真では絶対にできない体験だと思います。
Q5. 西沢さんの建築は3DVRで再現しやすいと思いますか?十和田市現代美術館はどうでしょうか。
A5. 十和田は、3Dウォークスルーに合っている部分と合ってない部分の両方があるように感じました。空間構成の単純さは、3Dでは伝わらないと感じましたが、各部屋の静けさ、雰囲気、また街と室内の関係などは、伝わってきました。
了
西沢立衛
建築家。横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA教授。
1966年東京都生まれ。1990年横浜国立大学大学院修士課程修了。同年、妹島和世建築設計事務所入所。1995年~妹島和世と共にSANAA設立。1997年西沢立衛建築設計事務所設立。代表作に金沢21世紀美術館(2004年)、十和田市現代美術館(2008年)、豊島美術館(2010年)、ルーブル・ランス(2012年)など。プリツカー賞(2010年)、日本建築学会賞(1998, 2006,2012年)、吉阪隆正賞など受賞。
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ARTLOGUE VR 関連イベント
オンラインギャラリートーク @ 十和田市現代美術館
オンラインで3DVR美術館内を十和田市現代美術館の学芸員である見留さやかさんにご案内していただきます。
Zoomで皆さんとコミュニケーションを取りながら館内を巡ります。
参加される方はお酒を片手にお楽しみください(もちろんノンアルコールでもOKです!)。
ARTLOGUE VR ならではの新しい美術館の楽しみ方を提供します。
美術館:十和田市現代美術館
日 時:2月6日(土)19時~20時
会 場:オンライン(開始1時間~30分前に申し込みのメールアドレスへZoomのURLをお送りします)
参加費:無料(ARTLOGUE VRにて十和田市現代美術館をご購入の方 https://artlogue-vr.com/ )
出 演:見留さやか(十和田市現代美術館 学芸員)
司 会:鈴木大輔(株式会社アートローグ 代表取締役CEO)
申し込み締切:2月6日(土)17時
Goolge フォーム
https://forms.gle/8wqo92oHiauU8xL47
Peatix
https://artlogue-vr-towada2021.peatix.com/
オンラインで楽しめる3DVR美術館 ARTLOGUE VR
ARTLOGUE VR をご鑑賞いただきありがとうございました。
文化庁「文化芸術収益力強化事業」での公開は終了しました。
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