表良樹 (おもて・よしき)は、大きな運動や成り立ちを、日常的なスケールに転換させる作品群をこれまでに制作してきました。地殻変動や大気など、生活者の視点では捉えづらいより大きな周辺の現象を、彫刻作品などに投影し、身体的に実感し得るものとして提示しています。
例えば「Tectonics」では、プラスチック製の日用品の内部に、様々な色相のポリエステル製樹脂を流し込み、攪拌させ、それを積層させた後、落下などの衝撃を与えて断面を露わにさせることで作品を完成させています。彫刻作品といえば、通常は表面の形状や様相で造形を判断されるものですが、表の作品は、内側の造形に至るまでの過程や時間をも織り込んでおり、固有の広がりを内在させています。メディウムとしては人工物であるプラスチックを起用しつつも、その造形は自然現象にプロセスの多くを委ねることで、人工物と自然現象をないまぜにしながら、鑑賞者の身体性に訴えうる作品に仕上げていると言えるでしょう。
KANA KAWANISHI GALLERYでの初個展となる同展は、『等身の造景』と題し、地殻変動をモチーフにした彫刻作品「Tectonics」と、大気の運動をモチーフにした平面作品「Turbulence」を併せて展示することでギャラリー空間を構成します。鑑賞者の一人ひとりが、それぞれの立ち位置やスケール感について、いかに実感しうるのかというテーマについて、改めて問いかけます。是非、足をお運びください。
〈アーティストステートメント〉
「自分が立っている場所、時間はこの世界のどこに位置しているのか?」
そんな問いを出発点に
地殻変動をモチーフにした彫刻作品「Tectonics」
大気の運動をモチーフにした平面作品「Turbulence」
2つの作品シリーズをギャラリー空間に展開します。
測りきれない大きな時間や運動について、あるいは立ち位置について考えます。表 良樹
〈アーティストプロフィール〉
表 良樹(おもて・よしき)
1992年大阪生まれ。2014年京都造形芸術大学美術工芸学科総合造形領域卒業。同年、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻入学、2016年に修了。主なグループ展に『群馬青年ビエンナーレ2019』(2019年、群馬県立近代美術館)、『六甲ミーツアート2018』(2018年、六甲カンツリーハウスほか)など。「第3回CAF賞」(2016年)最優秀賞、「アートアワードトーキョー 丸の内 2016」木村絵理子賞を受賞。
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開催概要
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会 期:2019年4月20日(土)~ 5月25日(土)
会 場:KANA KAWANISHI GALLERY
時 間:13:00〜20:00
*土曜は12:00〜19:00
*4月24日(水)のみ短縮営業(12:00〜18:00)
休 廊:日・月・祝
*4月29日(月・祝)〜5月6日(月・祝)休廊
〈関連イベント〉
トークイベント「等身大からの精神の背伸び」
表良樹個展『等身の造景』の開催を記念し、現代美術作家の河口龍夫氏を登壇者に迎えたトークイベントを行ないます。
河口龍夫氏は、1940年兵庫県生まれ。1965年にグループ「位」結成後、1973年にパリ・ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレに参加。以後、ポンピドウー・センター(パリ)やグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)など、国内外の芸術祭に参加し、複数の美術大学で教鞭を取りながら、近年も精力的に個展を開催するなど活躍の場を広げています。
表は、京都造形芸術大学美術工芸学科の学部在学時に河口の元で学び、氏を最も深く影響を受けた恩師であると語ります。今回は、5年振りにその恩師との語らいの場を設け、「等身大(=表の作品制作における身体感覚)」と「精神の背伸び(=芸術表現)」というキーワードを元に、それぞれの作品の切り口から、測り知れないものを体現する現代美術作品制作について、語らい合います。
日 時:2019年5月25日(土)18:00~19:00(17:45受付開始)
*トーク終了後、クロージングパーティーあり
会 場:KANA KAWANISHI GALLERY
登壇者:河口龍夫(現代美術作家)
表 良樹(現代美術作家)
定 員:40名(先着25名着席)
料 金:予約500円/当日1000円(ワンドリンク付)
予約フォーム → https://bit.ly/2LwmycU
*フォームにてご予約の方は、500円でご覧いただけます