ギャラリー小柳にて、11 月 2 日(金)から 1月24日(木)の会期で、ミヒャエル・ボレマンスとマーク・マンダースによる展覧会「Michaël Borremans | Mark Manders」が開催中です。ギャラリー小柳での展覧会は、ボレマンスが2014年の個展以来4年ぶり3回目、マンダースは2015年の個展以来3年ぶり2回目の展示となります。
ミヒャエル・ボレマンスは1963年、ベルギー中西部ヘラールツベルヘン生まれ、現在はゲントで制作活動を行っています。それまでの写真による表現から本格的に絵画に転向した1990年代半ばから国際的な評価が高まり、ベルリン・ビエンナーレ(2006年)、横浜トリエンナーレ(2011年)、シドニー・ビエンナーレ(2018年)など主要な国際美術展に招聘されています。2014年には原美術館でアジア初の美術館での個展を開催、同時期にブリュッセルで始まった大規模な回顧展がテルアビブ、ダラスへと巡回しました。
フランドル絵画の伝統を想起させるような精緻な技術で描き出されるボレマンスのペインティングには静謐な時間と謎めいた雰囲気をたたえています。そこに配される人物はしばしば意味のない作業に没頭しており、また素材のわからない布で表情を覆い隠されています。その情景はリアルに見えながら、映画や舞台のセットのような非日常的な印象を与え、鑑賞者に解釈が委ねられるのです。
マーク・マンダースは1968年、オランダ南部のフォルケル生まれ、現在はベルギーのロンセを拠点に制作を行っています。1990年代初頭より作品の発表を開始。サンパウロ・ビエンナーレ(1998年)、ドクメンタ11(2002年)、マニフェスタ5(2004年)などの国際展に招聘され、2013年のヴェニス・ビエンナーレではオランダ代表作家としてオランダ館で個展を開催しました。日本では、東京オペラシティアートギャラリー(2000年)、金沢21世紀美術館(2006年)でのグループ展、2016年のあいちトリエンナーレに参加しています。
マンダースは1980年代後半より、彫刻や家具、日用品や建築部材などを「想像上の」部屋に、緻密に練られた配置図に基づいて配するインスタレーションを制作してきました。それらはすべて作家が「建物としてのセルフポートレイト」と呼ぶライフワークの断片であり、時代や様式を超えて普遍的な美しさを醸し出す彫刻や、実物よりわずかに縮小された家具などを介して、作家自身の抽象的で個人的な思考や感情を、空間のなかで視覚化する作業といえましょう。
今回はボレマンスの新作ペインティングを4点、マンダースの新作を含めた彫刻を4点でギャラリー小柳の空間を構成する特別な展覧会となります。
是非この機会に足をお運びください。
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開催概要
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会 期:2018年11月2日(金)〜2019年1月24日(木)
会 場:ギャラリー小柳
時 間:11:00〜19:00
休 廊:日・月・祝、冬期休廊(12月23日~1月7日)