ジョーン・ジョナス「Simple Things」

ARTLOGUE 編集部2018/11/07(水) - 21:01 に投稿

ジョナスは1936年にニューヨークに生まれて1960年代に活動を開始して以来、約60年間に渡りパフォーマンス・アートの可能性を追求し続けている女性アーティストです。日本への旅行でポータブルヴィデオカメラ(ポータパック)を購入した事を契機に、1970年代前半から本格的にニューメディアと身体表現との融合を実践してきました。

その功績を讃えて、ジョナスは本年、4年に1度選出される「第 34 回(2018)京都賞  思想・芸術部門」の受賞が決定しており、講演やワークショップといった関連事業が京都で催されます。

今回の個展「Simple Things」では、ジョナスの主要な作品の構造と彼女の生涯に渡る関心を伝える、2つの映像作品《Flawless Decoys》(2017)、《Beautiful Dog》(2014)と、1つのパフォーマンス記録映像《Reanimation Performance (Milan 2014)》(2014)を展示します。私的な興味の対象物から地政学的状況にいたるまで、広範囲な着想源を彼女にもたらし続ける「旅」、すべての制作の根幹に横たわる、人と世との神秘的な関わりを象徴する「犬」、そして複数の過程と作品とがからみあって生み出される「ライブパフォーマンス」。身体、運動、音楽、女性のアイデンティティー、自然、都市の風景という切り口を頼りに、3つの映像を通じて半世紀以上に渡る作家の創作活動と世界への眼差しを紐解きます。

私の仕事はすべてレイヤリングにまつわるものです。私達はあるイメージを見て、その上に別のイメージを思い描きます。私の仕事は、世界をみる方法それ自体を表していると思います 。
ジョーン・ジョナス

彼女の作品は人間の認識がかたどる世界の姿がどうであるのかを、包括的に探求するものであるといえます。そうした多彩な世界の物語は、仮面や鏡、ヴィデオのスクリーンなどがレイヤー状に絡み合うジョナスの作品を通じて、今を生きる個々人の人生や社会と繋がります。

〈ジョーン・ジョナス  Joan Jonas〉
1936年NY生まれ、同地在住。60-70年代にリチャード・セラやロバート・スミッソンらと共に実験的な活動を行い、女性パフォーマー/ヴィデオ・アーティストの先駆者として知られる。表現方法は多岐に渡り、パフォーマンス中のドローイング制作、スタジオワーク、パフォーマンスを記録した映像作品、写真作品など、幅広く制作を行う。作品は神話や伝承あるいは詩などから着想され、独自の視覚言語を織り上げている。ドイツのカッセルで5年おきに開催される国際展ドクメンタに過去6回参加。近年の主な展覧会としては、2012年に現代美術センターCCA北九州で滞在制作をおこなった他、2013年PERFORMA13、2014年台北ビエンナーレ、2015年ベネチアビエンナーレ米国パビリオン代表展示、2018年テート・モダンでの回顧展などが挙げられる。本年、第34回(2018)京都賞を受賞した。

 

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開催概要
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会 期:2018年11月17日(土)~12月26日(水)
会 場:ワコウ・ワークス・オブ・アート
時 間: 11:00~19:00
休 廊:日・月・祝
 

開催期間
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画像
Video still from《Flawless Decoys》, 2017 (c) Joan Jonas, Courtesy of Gavin Brown's enterprise, WAKO WORKS OF ART:ジョーン・ジョナス「Simple Things」ワコウ・ワークス・オブ・アート
展覧会ジャンル
展覧会
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