渡辺 豪 個展「ディスロケーション」

ARTLOGUE 編集部2018/03/01(木) - 18:22 に投稿
渡辺 豪 M5A5 (※cropped scene) 2017 ビデオインスタレーション (マルチチャンネル) 48min 
© Go Watanabe, Courtesy of URANO

 

渡辺豪(1975年兵庫県生まれ) は、愛知県立芸術大学で油絵を学びました。2002年からは一貫してデジタル技術を駆使し、人の顔や身の回りの食器や本、部屋などの身近なモチーフを3DCGを用いてモデリングし、その表面に実際の写真を貼り付けた写真作品や映像作品を制作しています。近年の主な活動として、「コズミック・トラベラーズ - 未知への旅」 (2012年、エスパス ルイ・ヴィトン東京)、 「カルペ・ディエム 花として今日を生きる」 (2012 年、豊田市美術館)、「あいちトリエンナーレ 2013」にてそれぞれ新作アニメーションを発表し、 2013年に第24回五島記念文化賞美術部門新人賞を受賞後、約1年間フィンランドでの海外研修を経験しました。 その後も、The APB Foundation Signature Art Prize 2014 のファイナリストに選出され、シンガポール美術館で作品が展示され、スイス、ポーランド、ドイツを巡回したグループ展「ロジカル・エモーション - 日本現代美術」に参加するなど、 国内外を問わない活躍をみせています。

本展は、昨年、五島記念文化賞美術新人賞研修帰国記念展として開催された、横浜市民ギャラリーあざみ野での個展を再構成し、渡辺の作品史上最大規模の映像インスタレーションを中心に展示いたします。近年、認識における主観性と客観性、時間や場所によって移ろう〈光〉に焦点を当てて制作を続けてきました。研修先のフィンランドで、高緯度地域特有の、夏期に陽が沈まない〈白夜〉、冬期に陽がほとんど昇らなくなる〈極夜〉などの現象を体験した渡辺は、日本の通年変化のないフラットな〈光〉 とは異なる未知の体験から、身体的、知覚的な 〈ズレ〉をこれまで以上に強く感知し、文字通り 「ディスロケーション/dislocationずれること;層、転位、脱臼などの意味を持つ)」を着想しました。

渡辺による精緻な映像の動きは極めて緩慢ですが、時間をかけて注視すると少しずつ変化する画面は、穏やかながらも危うい日常を再現しているかのようです。 架空の日常風景がリアルな様相を帯びることで、誰のものでもない、あるいは誰のものでもある風景へと転位し、目の前に広がる現実が、それを享受する人の認識によって変現するものであることを私たちに知らしめます。 仮想の風景が強いリアリティをもって迫る渡辺豪の世界を是非ご堪能ください。

 

展覧会概要

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会期 : 2018年3月3日 – 4月7日
時間 : 11:00 - 18:00 (金曜 -20:00) / 日曜・月曜・祝日休み
会場:URANO www.urano.tokyo
   〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10-3F
   Tel: 03-6433-2303
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