-いつの時代も、アーティストは社会の代弁者だ。
アーティストの「言語」は、我々が生きる世界の知覚如何で左右される。
アーティストはいつでも「現実」と「理想」の狭間にいる媒体なのだ。-
キース・ヘリング(「キース・ヘリング ジャーナル」より 1984年)
中村キース・ヘリング美術館は、2018 年2 月9(金)から2018 年11 月11 日(日)まで「Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」展を開催します。
1987 年、20 歳でキース・ヘリングは故郷ペンシルバニア州からニューヨークへ渡りました。当時のニューヨークは不況下で暴力や差別が蔓延する反面、ヒップホップやグラフィティなどのストリート・カルチャーが創り出される源泉に溢れていました。その街でカウンターカルチャーに大きな影響を受けたヘリングは、激動するニューヨークで、そして世界中の都市を駆け巡りながら、アートを通し様々なメッセージを生涯発信し続けました。
ヘリングが社会とのコミュニケーションとしてまず初めに着目したのがニューヨークの地下鉄でのサブウェイドローイング制作でした。誰もが使う地下鉄構内の看板は絶好のパブリック・スペースでした。黒い紙が貼られた空き看板に白いチョークで素早く描き上げるグラフィティにはウィットに富んだメッセージがダイレクトに表現されました。その後はポスター・アートにも着目し核放棄や、反アパルトヘイト、エイズ予防、LGBTの認知など社会的な問題にも取り組んだのです。
社会における階級や地位、性別や人種、宗教や文化の違いに関係なく誰もが触れることのできるアートを追求したヘリングの作品は、テロや戦争の耐えない現代社会へ時代を超えてパワフルなメッセージを投げかけ続けています。
本展では、新しく収蔵作品に加わる1990 年の作品《オルターピース:キリストの生涯》を初公開します。これは1990 年2 月16 日31 歳でエイズにより亡くなる数週間前に完成した最後の作品です。教会の祭壇のためのオルターピースとして現在世界の教会や美術館9 箇所に収蔵されていますが、ヘリングの追悼式が行われたニューヨークのセント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂に今も飾られています。死を目前にしたヘリングの平和への願いと希望、そして生命の力が刻まれた永遠の作品です。
開催概要
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主 催: 中村キース・ヘリング美術館
後 援: アメリカ合衆国大使館、山梨県、山梨県教育委員会、北杜市、北杜市教育委員会
協 力: キース・ヘリング財団、シミックホールディングス株式会社
会 期: 2018 年2 月9 日 (金) ~ 2018 年11 月11 日 (日)
会 場: 中村キース・ヘリング美術館(〒408-0044 山梨県北杜市小淵沢町10249-7)
時 間: 午前9:00 ~ 午後5:00
入館料: 一般1,000 円 シニア900 円、学生700 円、13~18 歳500 円
問合せ: TEL: 0551-36-8712 FAX: 0551-36-8713
EMAIL: museum@keith.jp
<同時開催>
「ワードプレイ|ワセニ・ウォルケ・コスロフー言の葉の戯れ
ーエチオピアのアーティスト ワセニの世界」
会期:2017 年11 月23 日(木・祝)- 2018 年4 月15 日(日)
<関連イベント>
毎週日曜日14 時~ 学芸員によるギャラリーツアー(40 分程度)
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Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート フォトギャラリー
All Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection
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