荒野のグラフィズム:粟津潔展

粟津潔 デザインになにができるか

ARTLOGUE 編集部2019/04/26(金) - 02:31 に投稿
金沢21世紀美術館では2006年度から現在に至るまで約3,000件の粟津潔作品・資料の寄贈を受け、調査を続けてきました。2007年度には、受贈作品のうち1,750点を一挙に公開し、粟津の活動に関わった多数の表現者による証言、ワークショップ、パフォーマンスを展開する企画展「荒野のグラフィズム:粟津潔展」を実施しました。そして、2014年度から2018年度まで全5回シリーズで開催した「粟津潔、マクリヒロゲル」では、パフォーマンスや建築、写真などをテーマに調査を行い、多角的に粟津の世界観を紹介してきました。 粟津潔没後10年に当たる2019年、これまでの調査研究の集大成として粟津潔展を再び開催いたします。本展では、粟津ケン氏を企画監修に迎え、粟津作品に貫かれる民衆へのまなざし、そして「社会をいかにデザインするか」という視点から、粟津のデザインの本質を明らかにしていきます。それはまた今を生きる私たちにとっても重要な視点となるはずです。さらに本展にあわせ、粟津潔アーカイブを全件データベース公開し、一部の作品については作品画像のダウンロード利用も可能といたします。まさに今、展覧会というメディアを通して、複製こそヒエラルキーのない「民衆のイコン」であるとした粟津の精神をマクリヒロゲルことに挑みます。