アイルランド

リチャード・ゴーマン KEIJO 形情

ARTLOGUE 編集部2019/04/25(木) - 02:31 に投稿
ダブリン、ミラノ、日本と世界中に制作拠点を持つ国際的なアーティスト、リチャード・ゴーマンの作品約20点を展示。谷崎潤一郎の文学から湘南の地に憧れを抱いていたゴーマンが、茅ヶ崎市美術館を訪れたのは2015年。以来同館での展示を前提に作品を制作してきました。 1946年ダブリンに生まれたゴーマンは名門トリニティ・カレッジで経営学を学び、自動車業界に就職しましたが、少年の頃からの夢を捨て切れず、31歳にして美術学校に入学、画家としての第一歩を踏み出しました。日本との関わりは古く、90年代に福井県の岩野平三郎製紙所で作られる越前和紙に出会ってからは、重要な素材としてその後の作品に活用。和紙による繊細な作品は、キャンヴァスを用いた油彩画の堅固なフォルムと好対照を成しています。 ゴーマンの作品の特徴は、絶妙な色彩で色分けされた幾何学形体の組み合わせにあります。有機的で遊び心を感じさせるそれらの作品を、アイルランドの映画監督、ニール・ジョーダンは“Emotional Geometry”(感情的な幾何学形)と評しています。 同展では、アイルランドで育まれた美意識と湘南・茅ヶ崎の風土の融合を試みます。

増山 士郎 個展/”Self Sufficient Life”

ARTLOGUE 編集部2019/03/09(土) - 16:34 に投稿

北アイルランドにおいて2010年より唯一の在住日本人アーティストとして、活動している増山士郎。増山は2011年の3.11東日本大震災以降、世界各国で急速に進むグローバリゼーションや、現代の日本や西欧の文化の価値観と生活様式に対し、深い疑問を抱きました。今回の彼の作品は、その疑問から作られたものです。2012年から2015年にかけ、アイルランド、ペルー、モンゴルの三ヶ国を旅しながら、土着の人々と動物を巻き込み、現地の伝統的な動物繊維技術を用いて、それぞれ、羊、アルパカ、らくだの毛を使ったプロジェクトを実現しました。ある意味で増山はアーティストの直感と文化人類学者が 持つ帰納的な思考を持っている表現者といえるでしょう。