工芸・デザイン

人間国宝・桂 盛仁 金工の世界-江戸彫金の技-

ARTLOGUE 編集部2018/12/13(木) - 14:42 に投稿

桂盛仁(かつら もりひと/1944生)は長年に亘り練馬区に在住し制作を続けている、人間国宝に認定された金工作家です。

江戸時代初期から続く彫金の一派、柳川派の流れを汲み、明治・大正・昭和期にかけて、煙草入れなど装身具の彫金で大人気を博した二代豊川光長、桂光春を輩出した流派で、伯父である光春を継いだのが盛仁の父、桂盛行(かつら もりゆき/1914~96)となります。

父、盛行のもとで修行した桂盛仁は、打ち出しや彫金、象嵌、色絵等の技法を駆使し、日本伝統工芸展などで高い評価を得てきました。宮内庁買い上げ、文化庁長官賞を受賞するなど研鑽を積み、2008年に重要無形文化財「彫金」保持者(人間国宝)に認定されています。

昨今、明治期の卓越した工芸作品を“超絶技巧”と称し、ロストテクノロジーとしての評価がなされてきていますが、そうした工芸の技術が脈々と受け継がれてきていることは、柳川派、そして桂盛仁の金工を見ると明らかです。

本展は、桂盛仁の初期から近作までを通観するとともに、桂のルーツである、盛行、そして、光長、光春の作品も併せて展示し、今に生き続ける江戸彫金の技を再認識するものです。

ルーヴル美術館の銅版画展 カルコグラフィーコレクション

ARTLOGUE 編集部2018/12/13(木) - 02:31 に投稿
数多くの名画を所蔵し、世界屈指の美術館として名高い「ルーヴル美術館」。 そこには、私たちが見る機会の少ないデッサンや版画などを扱うグラフィック・アート部門があり、その所蔵数は10数万点ともいわれています。 中でも、特に歴史が古いのは銅版画「カルコグラフィー」です。 このルーヴル美術館カルコグラフィー室は、ルイ14世の治世下に起こった重要な出来事を世に広めるために「王の版画原版収集室」として設立され、1797年「国立カルコグラフィーコレクション」が誕生しました。 19世紀、20世紀には現代作家による新作を加え、コレクションはさらに充実し拡大し続けています。 これらは長きにわたるルーヴルの歴史、栄華の象徴たるヴェルサイユ宮殿、ルネサンスから現代までの絵画の記録など、ルーヴルが収集し蓄積してきた知と情報、そしてなじみ深い名画の数々をわかりやすく伝えてくれます。 本展ではルーヴル美術館カルコグラフィー室の銅版画コレクション約13,000点の中から、日本での特別公開のために、当時の版を使い刷られた銅版画約130点を展示します。

インポッシブル・アーキテクチャー ― もうひとつの建築史

ARTLOGUE 編集部2018/12/13(木) - 02:30 に投稿
建築の歴史を振り返ると、完成に至らなかった素晴らしい構想や、あえて提案に留めた刺激的なアイディアが数多く存在しています。 未来に向けて夢想した建築、技術的には可能であったにもかかわらず社会的な条件や制約によって実施できなかった建築、実現よりも既存の制度に対して批評精神を打ち出す点に主眼を置いた提案など、いわゆるアンビルト/未完の建築には、作者の夢や思考がより直接的に表現されているはずです。 この展覧会は、20世紀以降の国外、国内のアンビルトの建築に焦点をあて、それらを仮に「インポッシブル・アーキテクチャー」と称しています。 ここでの「インボッシブル」という言菓は、単に建築構想がラディカルで無理難題であるがゆえの「不可能」を意味しません。 言うまでもなく、不可能に眼を向ければ、同時に可能性の境界を問うことにも繋がります。 建築の不可能性に焦点をあてることによって、逆説的にも建築における極限の可能性や骰穣な潜在力が浮かび上がってくるそれこそが、この展覧会のねらいです。 約40人の建架家 ・ 美術家による「インポッシブル・アーキテクチャー」を、図面、模型、関連資料などを通して読み解きながら、未だ見ぬ新たな建築の姿を展望します。

石本藤雄展 マリメッコの花から陶の実へ-琳派との対話-

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 15:42 に投稿
日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念し、フィンランドのライフスタイルブランド「マリメッコ」のテキスタイルデザイナーとして活躍し、現在は老舗陶器メーカー「アラビア」で陶芸制作に取り組む石本藤雄の原点と新たな作品世界を紹介します。同展では、細見コレクションの主軸である琳派作品との競演もみどころとなっています。

チェコの現代糸あやつり人形とアート・トイ

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 15:41 に投稿
チェコと人形との関係は深いものがあり、例えば「人形劇は文化の命綱」とまでいわれるほどです。 チェコは、16世紀から第一次世界大戦までの間、オーストリアのハプスブルク家に支配された歴史があり、プラハなどの都市部では、ゲルマン化のためにチェコ語からドイツ語を使うように強制されました。しかし、人形劇は民衆の為の娯楽、風俗的なものであったために、危険視されなかったことがチェコ語の禁止を免れ、チェコ語を守るために人形劇が意欲的に上演されたと伝えられています。 つまり、チェコの人々にとって人形劇やその人形は単なる人形玩具というだけではなく、チェコの伝統文化そのものといえるのです。 チェコには、世界初の人形を専門に学べる国立大学機関があり、各都市には人形劇専門の劇場があります。現在のチェコにおいても、祭礼や地域のイベントでは盛んに人形劇が上演され、人形づくりのワークショップもたびたび開かれるなど、伝統的な人形劇を国の文化として継承しています。さらに、人形劇とは別にアートとしての人形を使った表現もチェコならではの展開として見逃せません。 本展では、そうしたチェコの現在の人形文化の一部を、世界の玩具や遊具の研究者である春日明夫氏のコレクションから糸あやつり人形やアート・トイなどの作品を中心に4名の作家を取り上げて紹介するものです。 チェコ在住の佐久間奏多は、魁力的な糸あやつり人形やハンドパペットの制作など人形作家の分野の世界で活躍し、日本を中心に世界中にコレクターが存在します。同じくチェコ在住の林由未は、人形劇の舞台美術家として活動するかたわら、人形劇用の人形も自身で制作し、チェコの国内外で注目されています。また、どこか暖かみのある造形を感じさせるチェコ人のバーラ・フベナーは、糸あやつり人形をはじめ、舞台や人形を中心とした造形作家として活躍し、チェコ人のミロスラフ・トレイトナルはそれらの表現に加え、色彩も豊かでユ二ークな形を持つアート・トイと呼ばれる作品を手掛けている点で特に異彩を放っているといえるでしょう。 展示では、それら4人の作家を中心にコレクション以外の参考作品も一部交えながら、約100点以上の作品で紹介します。本展を通じて、現代チェコの人形文化の一端をお楽しみいただければ幸いです。

江戸時代のどうぶつたち

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:39 に投稿
人々の好奇心が自然や様々な生き物に向けられた江戸時代。動物は現代と同じように世間の関心を集め、親しまれてきました。テレビもスマホも動物園もなかった当時、海を渡ってやってきた珍しい動物の見世物が人気を呼び、たくさんの動物たちの絵が描かれました。江戸時代の人々が惹きつけられた動物たちは、とてもかわいらしく、美しく、ユニークに描かれており、動物たちへの想いは今も昔も変わらなかったことが分かります。 今回の企画展「江戸時代のどうぶつたち」では旧平戸藩主・松浦家のコレクションから、絵画や書物に描かれた動物たちや、動物モチーフの美術工芸品を一堂に展示します。愛らしく、魅力的な動物たちとの出会いをお楽しみください。

イメージコレクター・杉浦非水展

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:33 に投稿
杉浦非水(1876-1965)は、日本のグラフィックデザインの創成期に重要な役割を果たした図案家の一人として知られています。当館では非水のご遺族から1997年に一括寄贈されたポスター、絵はがき、原画など700点以上にのぼる作品を所蔵しています。 本展では非水の代表作である三越のためのポスターをはじめ、数多く手がけた雑誌の表紙デザインや装丁の仕事、身近な動植物を描いたスケッチなどを展示し、19年ぶりに当館の非水コレクションを一堂にご紹介します。 さらに今回は、非水が手元に残した海外の雑誌やスクラップブック、非水が撮影した16mmフィルムの映像など、貴重な旧蔵資料も初公開します。非水が何に関心を持ち、何を集めていたのか、図案の創作にいたるまでのプロセスと「イメージの収集家」という側面に焦点をあて、非水の多彩な活動を改めて検証します。 【前期】2019年2月9日(土)~4月7日(日) 【後期】2019年4月10日(水)~5月26日(日) 【会場】東京国立近代美術館 本館2階 ギャラリー4

多田明日香個展 やわらかな四角形

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:33 に投稿
旅先や日常で思いがけず目にした感動的な風景を記憶に残すため、あるいは人に見せるために撮影する人は少なくないでしょう。多田明日香さんは、そんな心に残る景色を写真ではなく、ひらひらと揺れるスカーフに描き留めています。多田さんの手がけるブランド「La」のスカーフは、ドットやストライプの綺麗な柄や色の鮮やかさが特徴ですが、そのモチーフとなっているものは多田さんの記憶に残っている情景です。 異国の地で出会った雄大な自然、ネオン輝く夜景、朝焼けの空のグラデーション…。時と共に風化し曖昧になってしまう記憶の鮮明な部分だけ抽出するかのように、撮影した写真をコンピューター上で加工したり、水彩絵の具を使って描いた紙を切り合わせたり、様々な方法で表現します。それは具象よりも正確に多田さんの感動を私達に届けてくれます。 本展では、これまでに制作した作品や原画と共に、オーストラリアやナミビアの旅をテーマにした作品を一挙に公開します。また作品にはすべて情景を描写する詩が添えられ、物語を読むような感覚でお楽しみいただけます。多田さんの紡いだ色鮮やかで美しいスカーフの世界をどうぞご覧ください。

西洋ちょこっとアンティーク ― 1935年、小林一三の欧米旅行記から

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:32 に投稿
1910年代、箕面有馬電気軌道(阪急宝塚線)を開業し、宝塚少女歌劇(宝塚歌劇)の公演を始めた小林一三。1920年代には宝塚ホテル・阪急百貨店を開き、洋風の生活スタイルを関西にも広めた。そして1930年代、東京宝塚劇場や各地の映画館を次々に開場し、最新の娯楽で人々を楽しませていた。 そんな「昭和モダン」の真っ只中、1935年、小林一三は初めて欧米へと外遊する。電車や歌劇など、大正時代、既に西洋の文化を自らの仕事の一部としていた一三であったが、実は自身では欧米の実状に触れた事が無かった。その1年間に及ぶアメリカからヨーロッパを巡る旅の途次、一三は各国の美術館・博物館を訪れ、また各地で様々な美術工芸品を買い入れている。陶磁やガラスの器、扇や手箱などの装飾品に至るまで、品目は多岐にわたる。ところがアール・デコなど同時代のモダンな製品よりも、むしろ歴史や伝統を感じさせるアンティークといえる品物に、一三は関心を持ったようだ。 本展では、日々の旅行記とともに、外遊記念として持ち帰った品々を展示し、当時、小林一三が抱いていた西洋文化に対する想いをたどる。

若き日の川喜田半泥子

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:32 に投稿
川喜田半泥子は50代なかばを過ぎて本格的に陶芸を始めました。それまでの半泥子は社員、絵画、俳句、禅、海外旅行などで多くの人やものに触れ、人間力を養いました。 本展では、半泥子芸術の土台を築いた少年期から壮年期の文化活動とともに、若き日の半泥子に影響を与えた人や作品を紹介します。