静岡市美術館

白隠禅師250年遠諱記念展 駿河の白隠さん

ARTLOGUE 編集部2018/02/04(日) - 00:41 に投稿

「駿河には過ぎたるものが二つあり、富士のお山に原の白隠」と称えられた白隠慧鶴(はくいん えかく 1685~1768)禅師は、臨済禅の中興の祖で、特に禅の民衆化に努めたことで知られます。

白隠は、江戸時代中期、駿河国原宿(現・静岡県沼津市)の町屋に生まれるも、15歳で出家して原の松蔭寺に入り、諸国を行脚して飯山(現・長野県)で悟りを開き、32歳の時、請われて松蔭寺に帰り、これを復興。晩年は三島の龍澤寺を開山し、松蔭寺で84年の長寿を全うしました。

その間、特に60代後半以降(宝暦~明和期 1751~72)、達磨や観音、あるいは祖師のほか、様々な恰好の布袋や大黒をはじめとした七福神、親孝行などを説いた墨蹟や絵画を揮毫しました。宝暦・明和といえば江戸で錦絵が誕生し、京では白隠に参禅した池大雅や伊藤若冲が活躍した時代です。

本展は静岡の寺院や在家居士宅に伝来した白隠の書画を中心に、135件を一堂に会し、その画風の変遷や江戸絵画への影響を探るものです。江戸時代の社会における白隠、美術史的側面からみた白隠を改めて顕彰します。ご期待ください。

 

日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念 デンマーク・デザイン

ARTLOGUE 編集部2017/11/01(水) - 12:32 に投稿

北欧諸国の一つであるデンマークは、九州ほどの国土に約570万人が住む小さな国です。気候は比較的穏やかで、標高が最も高いところで約170mと、起伏の無いなだらかな地形が特徴です。また、国連が毎年発表する国民の幸福度ランキングでは常に上位を保持し、2016年度は1位を獲得するなど、福祉国家としても知られています。
何よりデンマークは、世界に誇るデザイン大国です。1920-30年代、政府はかつてない規模でデザインに投資し、集合住宅のほか、学校、市庁舎や図書館などの公共建築の整備を行いました。その内部空間は洗練されたデザインで統一され、今日にまで受け継がれています。デンマークの人々の暮らしは何世代にもわたり、優れたデザインと共にあると言えます。