水野 暁ーリアリティの在りか
左:《Mother》 2017-2018年、油彩・キャンバス(部分)
右:《La Mirada de La Mancha》 2015-2016年、油彩・キャンバス(部分)
画家、水野 暁(みずのあきら 群馬県出身 1974-)は、徹底した描写を根底におきながら、実験的な表現も試みつつ新たな写実絵画の可能性を追求してきました。現場で描くことを基本軸に置く水野は、時とともに移ろう対象を五感でとらえ、変化のままにドローイングを積み重ねていきます。
直感をより活かし、油彩をドローイング的に捉えつつ集積していくという方法によって、描かれた場所や物のたたえる空気や光、音、匂いまでをも瑞々しく伝える絵画が生まれます。
2014-15 年のスペイン滞在を契機に、絵画のみならず写真など他メディアへの横断といった実験を試みて現在にいたっています。また、難病と共に生きる母の姿をどうとらえるかという取り組みから生まれた最新の作品《Mother》・関連ドローイング等を、本展で初公開します。
初期の作品から滞欧期の制作、そして帰国後の最新作を含む約90 点を展示し、水野 暁の追求するリアリティの在りかを探ります。