OSAMU TEZUKA MANGA NO KAMISAMA Ⅱ
フランス西部の都市アングレームでは、毎年ヨーロッパ最大級のバンド・デシネの祭典「アングレーム国際漫画祭」が開催されています。1974年から開催されているこの祭典は、フランスで最も古いマンガ関係のイベントであり、1982年には手塚治虫も訪れています。
本祭典が45回目を迎えた2018年、手塚治虫の生誕90周年を記念して、「手塚治虫」をテーマとした特別展覧会「OSAMU TEZUKA MANGA NO KAMISAMA」が開催されました。本展は、フランスの多くの皆さんにご覧いただき、好評のうちに幕を閉じました。手塚治虫記念館の第75・76回企画展ではその凱旋展を前後編に分けて開催いたします。
後編にあたる第76回企画展では、アニメーションへの本格的な挑戦が始まった1962年から、1989年にかけての作品を紹介するとともに、手塚マンガに見られる特徴的な表現の数々をご覧いただきます。
本展では、フランスのキュレーターが企画した内容を、極力そのまま皆様にご覧いただきたいと思います。海外のキュレーターの独自の視点を介して、新たな手塚治虫の魅力を発見することができる企画展となっています。
竹宮惠子 カレイドスコープ 50th Anniversary
「風と木の詩」、「地球へ・・・」、「天馬の血族」などの名作を生み出し、マンガ界を革新・リードしてきたマンガ家の竹宮惠子。1967年にマンガ雑誌『COM』に「ここのつの友情」が掲載されてから50年を記念した本展では,代表作を原画や精巧な複製原画・原画’(ダッシュ)で振り返るとともに,「風と木の詩」の設定資料など貴重な資料も展示されます。
Zoo(ずーっ)とArt(あーと) 色とカタチのどうぶつ展
本展では、当館所蔵の美術作品の中から、どうぶつが描かれた近現代のポスター、マンガ、版画作品約80点を「リアル」、「デザイン」、「コミカル」の3つの視点からご紹介します。同じ種類のどうぶつの絵でも、描き方やアプローチによって、色もカタチも違う十人十色の作品として表現されています。作家たちはどのような意図からモチーフとして選び、描き分けているのでしょうか。その違いを感じ取り、親子で楽しく鑑賞していただける展覧会となっています。
また、こうした様々な表現をご覧いただきながら、どうぶつを好んで描いたフランスのグラフィックデザイナー、レイモン・サヴィニャックにも焦点を当て、その作品をまとめて紹介します。
【会場】
川崎市市民ミュージアム 企画展示室 2
岩合光昭写真展 ねこづくし
1950年に東京に生まれ、動物写真家の父・岩合徳光に同行したガラパゴス諸島で二十歳を迎えた岩合光昭は、その大自然を目の当たりにし、動物写真家を志します。1979年には『海からの手紙』で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞、世界的グラフ雑誌『ナショナルジオグラフィック』の表紙を二度飾るなど、その作品は国内外で高い評価を得ています。
こうした大自然に育まれる野生動物の姿を追う一方で、人々の暮らしの傍らで生きる猫へも眼差しを向け、岩合がとらえた猫たちの写真は多くの人々の心を惹きつけてきました。2012年にはNHKBSプレミアム「岩合光昭の世界ネコ歩き」が放送を開始、2019年2月には初映画監督作
品『ねことじいちゃん』が公開されるなど、その活動の幅を広げています。
本展では、「島の猫」、「やきものの里のネコ」シリーズを中心に、岩合が日本各地で撮影した猫たちの写真作品、200余点を紹介します。
アニメ 夏目友人帳展
優しさと切なさの溢れる描写が話題となり、漫画ファンを中心に2003年の初出当初から多くの読者を魅了してきた緑川ゆきの代表作「夏目友人帳」(白泉社 月刊LaLa連載)。
TVアニメ第一期は2008年に放送を開始後、2017年の第六期まで継続され、深夜アニメとしては他に類を見ないロングシリーズとなりました。TVアニメ化10周年の節目を迎えた2018年9月には、初の長編オリジナルエピソードとして「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」が全国の劇場にて公開されました。
本展は、TVアニメシリーズ・劇場版の貴重な制作資料をはじめ、劇中に登場した切り絵を使用した展示のほか、主人公・夏目貴志の部屋を再現したコーナーや、物語の中でも印象的な妖(あやかし)に名前を返すシーンを実際に体験するコーナーも!ニャンコ先生・斑、妖たちを近くで感じ、触れられる空間などアニメ「夏目友人帳」の世界を体感できる展覧会になっております。キャスト陣による音声ガイド、描き下ろしイラストを使用したオリジナルグッズも登場いたします。
【開場時間】
10:00~20:00、最終日(4月9日)は17:00閉場(いずれも、入場は閉場30分前まで)
JR中野駅開業130周年記念特別展「中野駅と街の移り変わり」
中野駅は4月11日をもって開業130周年を迎えます。これを機に、鉄道とともに変化発展した中野駅周辺のようすを振り返ります。中央線に関する鉄道コレクションの数々と、懐かしい風景写真で当時の様子を紹介します。
協力:東日本旅客鉄道株式会社 中野駅
●中央線鉄道コレクション
中央線にまつわる懐かしい数々の実物資料と中野駅に関する記念品などを紹介します。
資料提供:沼本忠次氏、泉 和夫氏
●関連イベント ※すべて当日受付、先着順 参加無料
◎JR・OBが語るギャラリートーク
JR・OBが中央線に関する鉄道コレクションや駅弁について語ります。
4月27日(土)、5月18日(土)
両日とも13:30~14:30
◎ビデオ上映会「いつか見た中野駅」
明治22年に甲武鉄道が開通してから、昭和の中央線と中野区の街の移り変わりを紹介します。
4月14日(日)、5月4日(土・祝)、5月26日(日)
各日とも①11:00~11:30 ②13:30~14:00
各回定員40名
◎新幹線ペーパークラフト教室(小学生以下対象)
新幹線車両がプリントされた専用の用紙を切抜き、折って、のりづけして立体模型を制作します。
6月2日(日)
開催時間①11:00~ ②13:00~ ③14:00~ (各回30~40分)
各回定員30名
◎こども駅長制服撮影会(小学生以下対象)
あこがれの駅長制服を着て記念撮影ができます。※カメラはご持参ください。
6月2日(日)
開催時間10:00~15:00
開催期間中、来館者に●「れきみんしおり」プレゼント!
●展示を見て、答える クイズラリー実施中!全問正解者には「オリジナルステッカー」プレゼント!
【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】生誕125年記念 速水御舟
本年は、日本画家・速水御舟(はやみぎょしゅう 1894-1935)の生誕から125年、そして山種美術館が現在の渋谷区広尾の地に移転し開館してから10年目にあたります。この節目の年を記念し、当館の「顔」となっている御舟コレクションの全貌を紹介する展覧会を開催いたします。
当館創立者の山﨑種二(1893-1983)は御舟とは一つ違いでしたが、御舟が40歳という若さで早世したため、直接交流することがかないませんでした。しかし、御舟の芸術を心から愛した種二は、機会あるごとにその作品を蒐集し、自宅の床の間にかけて楽しんでいました。一方、御舟は23歳の若さで日本美術院同人に推挙され、横山大観や小林古径らにも高く評価された画家。「梯子の頂上に登る勇気は貴い、更にそこから降りて来て、再び登り返す勇気を持つ者は更に貴い」という御舟の言葉どおり、彼は生涯を通じて、短いサイクルで次々と作風を変えながら、画壇に新風を吹き込んでいきました。
御舟は40年という短い生涯に、およそ700余点の作品を残しましたが、その多くが所蔵家に秘蔵されて公開されることが少なかったため、「幻の画家」とも称されていました。1976年、旧安宅産業コレクションの御舟作品105点の一括購入の相談が種二のもとに持ち込まれ、種二は購入の決断をします。その結果、従来から所蔵していた作品とあわせて計120点の御舟作品が山種美術館の所蔵となり、以来当館は「御舟美術館」として親しまれてきました。
本展では、御舟の代表作ともいえる《炎舞》、《名樹散椿》(前期展示〈6/8-7/7〉)(ともに重要文化財)をはじめとして、《錦木》など初期の作品から《牡丹花(墨牡丹)》など晩年の作品まで、各時代の作品をまとめてご覧いただきます。
当館の御舟コレクション全点公開は2009年の広尾開館以来10年ぶりとなります。この機会に、御舟芸術の真髄をお楽しみください。
※作品はいずれも山種美術館蔵
※会期中、一部展示替えあり(前期:6/8-7/7、後期:7/9-8/4)
やなぎみわ展 神話機械
1990年代から現在に至るまで、現代美術のみならず演劇界でも忘れられないシーンを投じてきた美術家やなぎみわ(1967~)。〈エレベーター・ガール〉で最初に注目を浴び、〈マイ・グランドマザーズ〉や〈フェアリー・テール〉といった一連の写真作品で世界的に評価を受け、2009年には第53回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表となり好評を博しました。
一方で、翌2010年には本格的に演劇プロジェクトを始めます。大正期の日本を舞台に、新興芸術運動の揺籃を描いた「1924」三部作(「Tokyo-Berlin」、「海戦」、「人間機械」)で話題を集め、特に2014年台湾で製造したステージ・トレーラーを母体に2016年から日本各地を巡礼する野外劇「日輪の翼」(原作:中上健次)は大きな感動を与えました。
その舞台作品と並行して、日本神話をモチーフに桃を撮影した新作シリーズを制作しており、今回一挙公開します。また10年ぶりの大規模な個展となる本展に向け、群馬工業高等専門学校をはじめ、京都、高松、福島の学生らと連携した「モバイル・シアター・プロジェクト」が立ち上がり、マシンによる神話世界も展覧会場に生み出されます。
美術と舞台の両極を往還することで生まれるやなぎ作品は、スペクタクル性とドキュメンタリー性が交錯し、虚実を幾重にも越境していくものです。待望された本展では、これまで以上にやなぎの汲み尽くせぬ創造の泉に迫ります。
野外劇「日輪の翼」が各地を巡回したように、本展覧会は、異化空間を漂流し、つなぎあい、また見送る者としてのやなぎが、作品と共に全国5会場を巡ります。アーツ前橋は、高松市美術館に続く開催となります。
※5月17日(金)・18日(土)はパフォーマンス開催のため17:00に展覧会場のみ閉場
【会場】
アーツ前橋 地下ギャラリー
画中のよおそい
古今東西、人は自らのよそおいに工夫を凝らし、楽しんできました。とりわけ19世紀パリでは、ジャーナリズムの発展とともに、現代につながるモード(流行)が生まれます。ほどなくして日本でも、外国のファッションが様々なかたちで受け入れられ、独自の発展を遂げました。時代時代の美術作品に描かれた人物も、当時の社会経済や文化を映しだす多様なよそおいに身を包んでいます。本展では、イギリスとフランスを主とした近代西洋から現代日本までの美術作品にあらわれたファッションについて、当館の所蔵品を中心に紹介します。さらに、画中の人々の服を着る・脱ぐ行為や、身体と服の関係性にも注目し、作品の中のファッションがつむぐ物語を紐解きます。
【関連企画】
(1)ワークショップ+ミニレクチャー「19世紀ファッションの秘密と裏側」
講師:筒井直子氏(京都服飾文化研究財団学芸員)
日時:6月2日(日)午後2時~(90分程度)
会場:集会室
費用:100円(保険代)
*事前申込みが必要です(電話028-621-3566)。先着15名(高校生以上)。
(2)ワークショップ「私のよそおい」
講師:齋藤千明氏(美術作家/白鷗大学教育学部准教授)
日時:5月19日(日)午後1時30分~午後4時30分
会場:企画展示室+集会室
費用:500円(材料費)
*事前申込みが必要です(電話028-621-3566)。先着20名(どなたでも、小学生未満の幼児は保護者同伴)。
(3)ギャラリー・トーク(担当学芸員による解説)
日時:4月20日(土)午後3時30分~/5月12日(日)、6月16日(日)午後2時~
集合場所:企画展示室入口
*申込みは不要です。当日の企画展観覧券が必要です。いずれも30分程度。