没後90年記念 岸田劉生展(仮)

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:37 に投稿
日本の近代美術の歴史において最も独創的な絵画の道を歩んだ孤高の存在である画家・岸田劉生(1891-1929)の没後90年を記念する展覧会です。 岸田吟香(1832-1905)を父として東京・銀座に生まれた劉生は、父の死後、キリスト教会の牧師を志しますが、独学で水彩画を制作するなかで、画家になることを勧められて、黒川清輝の主宰する白馬会葵橋洋画研究所で本格的に油彩画を学びます。 そして、雑誌に紹介された後期印象派の画家たち(ゴッホ、ゴーギャン、マチスなど)を知り、「第二の誕生」と自ら呼ぶほどの衝撃を受けます。 1912年には、斎藤与里、高村光太郎、萬鐵五郎らとともに、ヒユウザン会を結成、強烈な色彩と筆致による油彩画を発表します。しかし、画家としての自己の道を探究するために、「近代的傾向…離れ」に踏み出し、徹底した細密描写による写実表現を突きつめた先に、ミケランジェロやデューラーなど西洋古典絵画を発見して、「クラシックの感化」を受けた独創的な画風を確立します。 1915年には、木村荘八、椿貞雄らとともに草土社を結成、若い画家たちに圧倒的な影響を与えました。最愛の娘・麗子の誕生とともに、自己のなかの「内なる美」で満たされた究極の写実による油彩画に取り組みます。その後、素描や水彩画の直截な表現のなかに「写実の欠除」の意義を見出すとともに、関東大震災より京都に移住した頃から、東洋美術(宋元院体画、浮世絵など)に特有の写実表現のなかに「卑近の美」を発見して、日本画にも真剣に取り組みました。 しかし、鎌倉に転居して、再び油彩画に新たな道を探究しはじめた1929年、満洲旅行から帰国直後に体調を壊して、山口県の徳山において客死しました。享年38歳でした。 本展では、岸田劉生の絵画の道において、道標となる作品を選び、基本的に制作年代順に展示することで、その変転を繰り返した人生の歩みとともに、画家・岸田劉生の芸術を顕彰しようとするものです。

絵画の詩学

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:37 に投稿
当館所蔵の絵画と、絵画のイメージに合わせた詩や言葉を併せて展示します。 小説や詩集にはイメージを補助するために挿絵が添えられることがあります。本展はその逆、つまり絵画の解釈の手がかりとして言葉を添えて紹介します。 他者の詩や言葉を通して作品を再度鑑賞することで、各々では感じることのなかった新しい解釈が生まれるかもしれません。 美術作品は作家の表現ですが、言葉も使い手の表現です。表現と表現を掛け合わせ、深く作品世界を想像させる鑑賞体験をお楽しみください。 ●ワークショップコーナー 『千の言葉よりもあなたの一言が大切だといっても過言ではない!』 展示作品を鑑賞し、それぞれが感じた言葉や詩を紙に書いて展示室内に貼付けます。あなたの言葉によって、観覧者に新しい解釈が生まれるかもしれません。 日時:会期中常時開催 場所:展示室内 参加費:無料(ただし観覧券が必要) ●ギャラリートーク 学芸員が展覧会をご案内します。 日時:12月15日(土)、1月13日(日) いずれも午後2時~ 参加費:無料(ただし観覧券が必要)

リニューアル3周年記念名品展 第1部 国宝「紅白梅図屏風」

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:36 に投稿

MОA美術館では、国宝「紅白梅図屏風」をはじめとする当館コレクションから精選した所蔵名品展を開催いたします。 国宝「紅白梅図屏風」は、江戸時代中期の絵師、尾形光琳の最晩年期の一大傑作であり、日本美術を代表する作品です。 対立して勇姿を競う紅白の梅、判を押したかのように線描きしない梅花の描き方や蕾の配列、樹幹に見られるたらし込みなど、優れた要素が結集し、画面に重厚なリズム感と洒落た装飾性を与えています。 中央の川は静かに流れ、光琳独特の絶妙な筆致により渦まく水文が観るひとの目を引き付け、さらに末広がりの川の面が絵に存在感を与えています。 この流水文の絵画表現は、近年の科学調査により、銀箔地に水文をマスキングし、露出した銀箔を黒色に硫化変色させるという極めて類のない工芸的な手法である事が判明しました。 呉服商「雁金屋」の御曹司だった光琳は染色技法に詳しく、本作品の金銀地に対して防染技術の試みを垣間見せる大変興味深い作例です。 本展覧会では、この他に京焼の大成者・野々村仁清作 国宝「色絵藤花文茶壺」、奈良から室町期までの古筆名蹟の集大成といえる国宝 手鑑「翰墨城」と、所有する国宝3点全てをご覧いただきます。

竹内栖鳳展  コレクションを中心に

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:36 に投稿
明治以降の近代美術界は、西洋の美術思想や絵画技法の導入と伝統の継承との狭間で揺れ動きました。 そのような時代にあって、竹内栖鳳(1864-1942)は、元治元年(1864)に京都で生まれ、18歳で四条派の幸野棋嶺に入門しました。 四条派の他、狩野派や土佐派など様々な古画の研究に取り組み、明治33年(1900)37歳でヨーロッパに渡り西洋美術への理解を深め、その後、西洋画法を取り入れた写実表現によって、日本画の新しい道を切り開きました。 晩年は後進の指導にも力を注ぎ、橋本関雪や上村松園など多くの有能な画家を育成しました。 この度の展観は、伝統に立脚しつつ独自の表現を創造した竹内栖鳳にスポットをあて、その魅力に迫るものです。

黒田泰蔵 白磁

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:36 に投稿
空間に溶け込むように静謐でありながら、緊張感あふれる力強さをもつ陶芸家・黒田泰蔵の白磁。ヴァンジ彫刻庭園美術館では、国内外の主要な美術館にコレクションされ、世界的に活躍する黒田の美術館では初となる個展を開催いたします。 1966年、20歳の若さでパリに渡り、のちの人間国宝となる陶芸家の島岡達三と運命的な出会いを果たした黒田は、カナダで陶芸を始めました。 日本に帰国した後も、黒田はさまざまな技法で精力的に作陶に携わっていきますが、45歳の時、「轆轤成形、うつわ、単色」という3つの条件を自身に定め、白磁のみの制作に傾注していきます。 本展覧会では、轆轤に初めて触れてから約半世紀の後に辿り着いた白磁の現在を、円筒や梅瓶、花入、台皿といった数々の優品により展観します。 磁土との対話の中、個を極限まで消していくことで純化された白磁がみせる抽象の世界。轆轤の回転が生み出す柔らかで張りのあるフォルム、釉薬を用いず、焼締めの後に磨かれた表面の艶やかな陰影、宙空へと薄く挽き上げられた口縁など、その美しさの特質には枚挙にいとまがありません。 1981年の帰国後より伊豆に窯を構え、以来40年近く静岡の地でうつわの可能性を追求し続けてきた黒田の究極の白磁を、ぜひご堪能ください。

クワクボリョウタ展

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:36 に投稿
子どもの頃、手を使って影絵遊びをした記憶がありませんか? 暮らしの中に生まれる影は、常に移ろい、その姿を留めません。 そして、時には思いもしない形を生み出し、私たちに驚きを与えてくれます。 そこには、「観る」という行為が、起点として存在します。 観ることは、視覚から始まり、音や、場の空気といったの周囲全体に広がると共に、一人一人の記憶に触れ、私たちの内面へと繋がっていきます。 つまり、観るという行為は、それ自体が、体験を紡ぐものとも言えるでしょう。 国内外で活躍するメディアアーティスト クワクボリョウタは、電子部品や機構そのものに着目し、観る人自身が内面で体験を紡ぎ出すような作品を発表してきました。 本展では、光と影を素材とした代表作「LOST」シリーズを含む3作品に加え、ワークショップを通して、作家と参加者が作り上げる「風景」を展示します。 あなたがいて、わたしがいて、「観る」ことから始まる展覧会。あなたは会場で何をみつけ、何を想いますか?

中国陶磁百花

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:36 に投稿
華やかなやきものを次々と誕生させ、常に世界をリードしてきた中国。 この度は「花」をテーマに三つの視点から中国陶磁の魅力をご紹介いたします。 まず一つ目は、花が描かれたうつわを展示します。世界には様々な文様がありますが、その中でも花は最も多いモチーフの一つです。 中国でも古くから牡丹や蓮などの美しい花が描かれたうつわが人々の生活を彩ってきました。 二つ目は、花をいける道具・花器に注目します。古来より花を愛でる文化があった中国では陶磁製の花器も多く生産されていました。 これらの花器は、平安時代以降、日本にももたらされ、鎌倉時代には室内装飾にも大きな影響を与えています。 中国の陶磁装飾の技法の名称には、「印花」や「貼花」、「青花」など文様を意味する「花」の文字が付いたものが多くあります。 三つ目では、これらの装飾技法が用いられた作品などをご紹介いたします。 本展を通じて、大陸に咲き誇った美しい中国陶磁の世界をお楽しみいただければ幸いです。

ジブリの大博覧会 ~ナウシカからマーニーまで~

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:36 に投稿
「スタジオジブリ」の設立から約30年間の歩みを体感できる展覧会です。 ナウシカからマーニーまで、ジブリ作品がどのように生み出され、世に出て行ったのか。 未公開を含む膨大な資料や映画公開当時を振り返る広告宣伝物が展示空間を圧倒します。 また、「天空の城ラピュタ」やその他の作品に登場する空飛ぶ機械たちの空間や、「となりのトトロ」に出てくる「ネコバス」コーナー、品揃えの豊富なグッズ販売コーナーなど、大人から子供まで幅広い世代にジブリの魅力を発信します。

浅井愼平写真展

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:36 に投稿
浅井さんはビートルズ来日の際に、オフィシャルカメラマンとして注目され、これまでに数多くの企業広告に作品を発表してきました。 今回は、アメリカやニュージーランドをはじめとする、海外スナップを中心にご覧いただきます。 日常生活の中で見過ごされてしまうような被写体が、浅井さんの感覚により見出され、自由で正解のない写真術として表現されています。