ファンタジック TARO
本展では岡本太郎がデザインしたインテリアや商業製品などのプロダクトを中心に紹介します。
岡本は絵画や彫刻などを制作するとともに、数多くのプロダクトのデザインも手がけています。1950年代半ばには建築家の丹下健三やデザイナーの剣持勇とともに国際デザインコミッティー(現・日本デザインコミッティー)の創立メンバーとなり、グッドデザイン運動の先駆けとして様々な分野の芸術家と協同制作を行いました。
芸術は芸術家だけのものではなく、だれでも手に取れて親しめるべきである。そう考えていた岡本は、人々が生きる生活の中にこそ芸術の必要性を見出します。しかし快適さを追求したモダンデザインに満足しなかった岡本は、人間と対決することで人間性を回復させるという理念のもと、様々な“遊び”心にあふれた生活用品を生み出していきます。
その活動は、イスが生き物の姿をした《坐ることを拒否する椅子》(1968年)や「岡本太郎インテリア」展(1970年)という形でも結実しました。昨年は「太陽の塔」のリニューアル公開や2025年の大阪万博が決定するなど、岡本太郎が再び注目される機会となりました。本展は再びの大阪万博開催を記念して開催します。
岡本が生活の中に取り入れた「創造的な笑い」を身近に感じていただける機会となれば幸いです。