江戸の奇跡・明治の輝き 日本絵画の200年
鮮やかな色彩やグロテスクな形といった強烈なビジュアルとともに、伊藤若沖や曽我蕭白の名前をテレビや雑誌で目にした方も多いでしょう。彼ら奇想の画家たちが再評価されて久しく、とりわけ近年はかつてない「江戸絵画ブーム」といわれます。さらに昨年は明治元年より・150年という記念の年として、日本が近代化を進めたとされる「明治時代」にさまぎまな角度からスポットが当てられました。
江戸時代、百花が乱れ咲くように、多くの流派がそれぞれに傑作を生み出します。しかしこの江戸の「奇跡」はゼロからの創造ではなく、多くは前時代の作品や、中国・西洋からの舶載画を学習したうえに成り立っています。また、横山大観や菱田春草ら明治時代の日本画家たちが放つ、「輝き」も突然ではなく、江戸時代の基礎を引き継いだからこそ成しえた革新によるものではなかったでしょうか。
本展では近年話題の江戸・明治の日本絵画をまるごと取り上げ、重要文化財16件を含む約180件を通してこの激動の時代の輪郭を辿ります。
前期:2019年3月15日(金)~31日(日)/後期:4月2日(火)~21日(日)