「四条派」とは呉春を祖とし、呉春やその門弟たちが京都四条通り周辺に居住していたことから、名付けられた画派の名称です。明治以降、近代になっても四条派に属する日本画家たちが活躍を続けたことから、その名は良く知られるところとなりました。京都で育まれて発展した四条派ですが、長い年月を経て、現在では多岐に渡る画風や内容を示すものとなっています。
このたびの展示では、まず呉春の作品を中心に紹介いたします。呉春は幅広い画技を持ち、生涯に何度か画風を変えました。与謝野蕪村に学び、模倣することで始まったその画業が、摂津国池田に居住して独自の発展を遂げ、さらに京都に戻って円山応挙の影響のもと、新たな境地に達する変選を辿ります。
次に、同時期の円山応挙の弟子、源琦、山口素絢、吉村孝敬の作品を取り上げ、呉春との違いを見ていきます。さらに卓越した呉春の三人の弟子、松村景文、岡本豊彦、柴田義董の作品により、四条派が発展していく兆しを、最後に西山芳園、上田公長ら大阪で活躍した絵師を紹介して、京都に止まらなかった四条派の影響の広がりを検証します。
※会期中、一部展示替があります
【前期】4月6日(土)~4月23日(火)
【後期】4月25日(木)~5月12日(日)