写経研究の第一人者である書家、植村和堂(明治39~平成14)に師事して書を学び、教え、仮名書家として活動を続けてきた佐藤芙蓉(昭和16~)。蒐集家でもある師から「本物を間近に見て学ぶ」姿勢を継承し、向学のために自らも書画を蒐めています。当館では開館翌年の平成七年から春と秋の年2回「植村和堂写経教室」を開催しており、和堂没後の平成14年からは、「佐藤芙蓉写経教室」として、25年の長きに渡って継続しています。芙蓉はこの指導時に、自らのコレクションを受講生に惜しげもなく披露します。なかには、美術館であればガラスケース越しにしか見られないような書画もありますが、これが彼女の指導スタイルなのです。
自らの研鑽のため、後進の指導のために、奈良や平安時代の写経や古筆を中心に蒐集されたこのコレクションは、平成30年に熊野町が町制施行100周年を迎えたことを機に、筆の町・熊野町へ寄贈されました。このことを記念し、本展でコレクションを一堂に展示し、佐藤芙蓉が実践している学書の方法、書の見方、書の鑑賞法についても紹介します。また、今秋に開講から4半世紀、第50回を迎える写経教室の受講生展を同時開催します。
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展覧会
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