大竹伸朗は1980年代初めにデビュー以降、絵画を中心に、印刷、音、写真や映像などの多彩な表現を展開し、その活動は現代美術の世界だけでなく、文学やデザインなど、幅広いジャンルに影響を与えてきました。その中で、本展では、1970年代から現在までの約40年間にわたり、大竹が制作し続けてきた「ビル景」シリーズに焦点をあてます。 「ビル景」とは、現実の風景をそのまま描いたものではなく、大竹の中に記憶された香港やロンドン、東京といった様々な都市の湿度や、熱、騒音、匂いなどがランダムにミックスされ、「ビル」という形を伴って描き出される仮想の風景です。 今回、多数の未発表作品から最新作まで800点以上を調査し、ビルシリーズ全作品集の発行とあわせて、可能な限り展示することで、「ビル景」シリーズの全貌を明らかにします。 デジタル技術全盛の現代において、一人のアーティストが数十年に渡り、自らの手で絵を描き、作り続けることの意味とは何か。本展を通じて、それを感じていただければ幸いです。
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展覧会
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