朝鮮王朝(1392年~1910年)は519年の長きにわたり朝鮮半島を統治した王朝でありました。初期の王朝支配体制確立期から日本・清の侵略による王朝の動揺期、政治の安定期から世界の潮流が押し寄せた王朝後期へと続きます。そして朝鮮王朝末期は上流階級の文化が一般社会に広がりを見せた時代でした。そこにはより朝鮮らしい鮮やかな色彩を追及し、個性を生かそうとする流れも生まれました。たとえば、男性が持つ文房四宝などに見る道具の多様化、女性用の家具に見る色彩装飾などにその輝きが現れてきます。また、王朝時代末期の美術工芸品には混乱した社会情勢から王朝文化を逞しく継承する姿も見て取れます。
本展覧会では、朝鮮王朝末期の文化と輝き、そして近代以降の王朝文化継承の過程で生まれた書、工芸、絵画など、約70点を出品します。
併せて、2017年にユネスコ「世界の記憶」に登録された高麗美術館所蔵の「朝鮮通信使」資料も特別展示します。
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