19世紀末から20世紀にかけて活躍したフランスの大女優サラ・ベルナール(1840/44~1923)。演劇界のみならず文学や美術など芸術界全般に大きな影響を与えたサラは、まだ無名だったアルフォンス・ミュシャや若手ジュエリーデザイナーだったルネ・ラリックの才能を見出した女性でもあります。
文豪ヴィクトル・ユゴーが「黄金の声」と称賛した美声や、男役も演じる高い演技力で、母国フランスでは伝説の女優として語り継がれているサラは、自ら執筆や彫刻の制作を行うアーティストとしても活躍するなど、多彩な才能を開花させていました。演劇・芸術・ファッションで人々を魅了し、いち早く広告の重要性に目をつけたことで、写真やポスターで自らイメージ戦略を計り、ベル・エポックと呼ばれる華やかな時代を彩ったスターとして君臨しました。
本展は、サラ・ベルナールを大々的に紹介する初の巡回展です。日本とフランスから集めた作品や資料を中心に、華やかなベル・エポックからアール・デコ時代に活躍した芸術家たちの作品を交えて、時代の女神(ミューズ)として一世を風靡した大女優の足跡を辿ります。
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