絵の具の重なりが生みだす響きや、自由な描線によってつくられる豊かな形象。
岩本の絵画は、画面の境界を超えて輝きをはなち、音楽のように私たちをとらえて離しません。
さまざまな概念のしばりをほどくように展開されてゆく岩本の絵画のうちには、あらゆる〈いろ〉、あらゆる〈かたち〉が存在しています。
「―全ての色、全ての形―それがどんなに小さくても、宝石のように光り輝き、野に咲く花のように、生命感に溢れ、それがどんなに小さくても広大な宇宙を感じさせるような、そんなものを描きたいのです」(2017年9月5日)と岩本は語ります。
〈SQUARE-STROKEシリーズ〉〈アブストラクトペインティングシリーズ〉など、いくつもの表現展開をもつ岩本ですが、このほど、数年来取り組んできた11㎝角の画面による表現が〈SQUARE-11シリーズ〉としてひとつの完成をみました。
本展では、同シリーズの700点を超える作品群から30点を厳選し、シリーズ初のこころみとして展観します。本展開催にあわせて新たに制作される連作、本展につながる2000年代の作品群も必見です。
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