平成31年(2019)は、安政6年(1859)の横浜開港から160周年にあたります。本展示はこれを記念して、日本人の絵師によって描かれた浮世絵を題材に、開港により新たな「名所」となった「開港場・横浜」の風景について、名所を見る視線に注目しつつ、紹介します。
開港場・横浜が新たな名所となった理由は、江戸から一日行程の範囲、かつ当時の主要な陸路であった東海道に近接する地点に、異国の人々と彼らがもたらしたさまざまな物品や風俗を見聞できる場所が成立したことによります。また、東海道五十三次が名所として浮世絵の題材になっていたことが前提にあると思われます。
本展示では、こうした近世後期から近代初頭における「名所」としての横浜のあり方を、①神奈川宿台町からの眺望対象の一つであった19世紀前半、②開港場全体が一つの名所となる開港直後、③浮世絵に描かれた視線が開港場の内部に入り込み、開港場やその周辺に存在する個別の地点がそれぞれ名所化していく段階の、3つに区分して紹介していきます。
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