絵や彫刻などの美術作品を見るとき、「何だかよくわからないなぁ・・・」「難しいから、あんまり好きじゃない・・・」という声を聞きます。むしろそういう人の方が多いかもしれません。ましてや、美術作品は毎日使うものでもなく、水や食べ物ののようにそれがなくては死んでしまうというものでもありません。しかし、美術には、人間の心の豊かさに作用する重要な力があります。作品を見ている時、私たちは目の前にある作品と単に向き合っているのはなく、無意識のうちに、作品を眺めている自分自身や作者と対話をしているのです。それは、自分が今までに身につけてきた知識や身体感覚を総動員して目の前の作品に意識をめぐらせることであり、感じ、考えるプロセスを発見することでもあります。だから、美術の見方は十人十色。答えはありません。
本展では、当館のアートコレクションから選りすぐりの近現代作品を展示し、より深く作品にアプローチするためのポイントを紹介しながら「みる」「きく」「ふれる」「感じる」の4つの感覚で美術の見方の楽しい旅へといざないます。
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