西山翠嶂 知られざる京都画壇の巨匠

ARTLOGUE 編集部2018/09/08(土) - 02:30 に投稿

西山翠嶂(1879-1958)は、京都に生まれ、 竹内柄鳳(1864- 1942)に師事し絵画を学びました。内国勧業博覧会や官展などで入賞を重ね、画家としての確固とした地位を築き、京都市立美術工芸学校および同絵画専門学校の校長や官展の審査員などの要職を務めます。 自身が主催した画塾・青甲社からは、 堂本印象(1891- 1975)、上村松篁(1902- 2001)、秋野不矩(1908-2001)ら次代を担う画家たちを輩出しました。 当時からその功績は高く評価され、京都で活躍した日本画家としては栖鳳、上村松園(1875-1949)に次いで三人目の文化勲章受章者となりました。栖鳳の娘婿でもあった翠嶂は、その後維者として、明治期後半から戦後にかけての京都日本画壇において最も重きをなした画家といえるでしょう。

しかし、これほどに重要な画家でありながら、現在まで充分な評価と注目がされてきたとはいえません。このたびの展覧会は、海の見える杜美術館の所蔵する作品と資料を中心に、現存する官展出品作を加え、可能な限り彼の画業を見渡そうとする初めての試みです。特に、初公開となる、現在は本画を見ることのできない代表作品の大下絵(原寸大の草稿)の 展示にご注目ください。本展は、翠嶂が多くの魅力あふれる作品を世に出したことを知っていただく貴重な機会となるでしょう。師の栖鳳から受け継いだ確かな筆技、写生の技術に加え、翠嶂自身が開拓した洗練されつつも情感豊かな画風と、花鳥や人物、風景などの多様な画題をお楽しみください。

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