収蔵品展 版画交響楽(シンフォニー)―魅惑の小宇宙―

ARTLOGUE 編集部2018/09/08(土) - 02:30 に投稿

油彩画や水彩画、日本画のような絵画と版画との違いは、どこにあるでしょうか。例えば、紙に一本の線を描く場合を考えてみます。
絵画では、紙を用意し筆に絵の具をつけ、その筆で紙をこすれば出来上がりです。
版画では、例えば木版画の場合、版木を用意し、彫刻刀で線を彫り、あるいは線となる部分を残して版木を彫り取り、版木にインクを付け、紙をのせてバレンなどでこすり、紙をはぎとることで一本の線が画面に描かれます。そして版に使う材料や版を作る方法によって、そのやり方が違ってきます。版画は、作者と作品の間に「版」が介在することによって、手間のかかる、厄介な制作方法をとっていると言う事もできるでしょう。しかしこれが木版、銅版、石版、シルクスクリーンのような版材、凸版、凹版、平版、孔版などの版式の多様性につながり、作家それぞれの工夫や技法の開発によって、多様な表現を生み出しています。
また、版を使うことによって、複数の同じ作品の制作ができることも版画の特徴です。このことによって、美術の普及に貢献しているとも言えるでしょう。
この展覧会では、当館の収蔵品の中から95作家100点の版画作品を展示いたします。その多様な作品の奏でるシンフォニーと魅惑的な小宇宙をお楽しみください。

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収蔵品展 版画交響楽(シンフォニー)―魅惑の小宇宙―

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