山陰にて 植田正治、子どもたちの輝き

ARTLOGUE 編集部2018/08/29(水) - 02:30 に投稿

‟山陰にて”と題して開催する2回目の展示では、山陰の子どもたちのさまざまなイメージ、「輝き」を紹介します。カメラに戸惑う子ども、素朴な表情、はかなげな姿、笑顔、魅力的で愛らしい子どもたちが、植田正治の作品にはしばしば登場します。

戦前の代表作《少女四態》、戦後まもなくに撮影された《パパとママとコドモたち》などの家族写真、シリーズ〈童暦〉を撮影し続けた1960年代、シリーズ〈小さい伝記〉の連載を始めた1970年代など、植田の写真には、常に子どもたちの姿があります。もちろん、「昭和の子どもたち」のノスタルジックな姿、愛らしい表情やカメラに対する素直な反応に惹かれていたとは思いますが、存在としてのあやうさや不確かさなどにも魅了されていたのでしょう。写真のなかの「昭和の子どもたち」は、カメラの前で一瞬緊張しながらも、無垢で純粋なまなざしを写真家へと向け、素朴で素直な反応をみせています。そのまなざしや反応は、子どもという被写体の本質、「輝き」を表しているようであり、私たちが忘れかけている大切な瞬間(とき)や幼い日々の記憶を喚起する特別な力を持っているように思えてなりません。

今回の展覧会では、植田が各年代、各シリーズにわたり、カメラ、アプローチや表現方法も変えながら、‟山陰にて”子どもたちを撮り続けた足跡を概観します。

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山陰にて 植田正治、子どもたちの輝き

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