西暦522年(別説では358年)百済より 初めて日本に仏教が伝来し、同時に仏像も伝えられました。その仏像とは、日本書紀によれば金銅製の釈迦如来像でありました。黄金色に輝く荘厳な金銅仏が、日本人の眼に驚きと畏敬の念をもって迎えられたことは想像に難くありません。これ以降、二、三の曲折はあったにせよ、仏教は燎原の火のごとく日本全土に広まりました。
これをさかのぼること約200年前、中国では後漢滅亡の後、五胡十六国時代の乱世に初期の金銅仏が造られ始めました。その目的・用途は、王侯や兵士達の携帯用念持仏とされ、一般大衆にまで仏教が信奉されていたことがうかがわれます。さらに、王侯貴族はじめ尊崇の念厚い大衆庶民は、その財を傾けてさまざまな経典を寺社に奉納しました。
本展では、中国と朝鮮半島にて鋳造され、その後日本に請来された仏教信仰の証とも言うべき納経典、および愛らしい小金銅仏を展示いたします。さまざまな仏像のかたちと緻密な造形美をお楽しみくださり、東アジアの仏教信仰のひとつの切り口を感じていただければ幸いです。
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