Much Better Than This, Times Square Midnight Moment, New York,
2015 Photography by Michael Wells(参考画像)
インターネット・アートの代表的存在
ラファエル・ローゼンダールの世界初となる美術館での個展
ラファエル・ローゼンダールは、インターネット空間を発想と表現の場とする、時代の最前線を走るアーティストの一人です。カラフルで美しく、かつ思索的でもあるプログラム映像作品を掲載した彼のウェブサイトは、年間5000万のアクセス数を誇っています。また、インターネット空間以外にも、インスタレーション、テキスタイル、レンチキュラーによる絵画作品、そして俳句という言葉の芸術など、さまざまな方法でその世界観を表現してきました。
一方、ローゼンダールの作品は、現代のデジタル化社会における美術作品のありようを検証するものでもあります。ウェブサイト作品はドメイン名に購入者の名前を表示することによって作品の所有者を表しますが、その作品自体は誰でも、世界中のどこからでも、ネットに接続していさえすれば鑑賞できるようになっています。このような、パブリックとプライベート、また“ 複製技術時代における”アート作品そのものの性質などについての鋭い洞察と回答は、私たちがいままさに経験しはじめている新しい時代のアートを考える上で重要な実践です。
本展は、日本ではもちろん、世界で初めて、ローゼンダールが公的美術館で行う個展となります。十和田市現代美術館の3 つの企画展示室を使い、彼の独創的な芸術世界を、映像インスタレーション、タペストリー、そして俳句の作品で紹介しながら、現代のメディアがインスパイアする創造性を示唆します。
_____________________________________________
【 展示の内容と見どころ 】
1.大規模な映像インスタレーション
ウェブサイトとして発表されているプログラム映像をコンピレーション(編集・構成)し、最も大きな企画展示室で空間展示します。没入感とともに、インターネットの世界の創造性と、ローゼンダールの絵画的な芸術をお楽しみいただけます。
2.新作のタペストリー作品
ローゼンダールが発表したChrome の拡張機能<Abstract Browsing>は、Gmail やTwitter などの有名なウェブサイトのビジュアルを抽象化するものです。ローゼンダールはその図像をタペストリー作品として展開しており、本展ではその最新作が展示されます。
3.英語俳句
展示室同士をつなぐ明るく長い廊下に、ローゼンダールが2013 年から取り組んでいる言葉の芸術、俳句が空間展示されます。
4.インタラクティブ映像
ローゼンダールのウェブサイト作品の中には、鑑賞者がカーソルを動かして関与するインタラクティブなものもあります。本展でもそのうちのいくつかを紹介し、実際に手を動かして作品の動きを楽しめるように展示します。
_____________________________________________
【 作家メッセージ 】
私は、ウェブサイトや俳句、インタラクティブ作品、テキスタイルなど、あるルールに基づいた環境の中で作られる表現に取り組んできました。つまり、私はずっと、異なるいくつかの仕組み(システム)について考え、そういう制限の
中で自分の創造性を探求してきたのです。十和田市現代美術館の建築も、この考えを表しているように見えます。たくさんの展示室が廊下でつながったこの建築で、来館者が明るい廊下を渡って、部屋から部屋へと移動していくとき、脳や思考の違う部分同士が接続しあい、ひとつの世界そのものになっているように感じられます。そのため、十和田市現代美術館の建築は自分の作品にぴったり合うのではと考えました。この美しい美術館で展示できる機会をとても楽しみにしています。
ラファエル・ローゼンダール
_____________________________________________
【 作家プロフィール 】
Rafaël Rozendaal ラファエル・ローゼンダール
1980 年オランダ生まれ/米国在住。インターネット・アートの代表的存在。ヴェネツィア・ビエンナーレをはじめとする世界的な国際展、またポンピドゥ・センター(パリ)、アムステルダム・ステデリック美術館等、著名な美術館の展覧会に参加してきた。中でも、2015 年のニューヨーク、タイムズ・スクエアの電光掲示板を使ったインスタレーションは有名。日本との関わりも深く、2009 年のAIT レジデンシープログラム参加を皮切りに、Takuro Someya Contemporary Art での個展(2010、2016、2017)、カルバン・クラインとのコラボレーションイベント(2012)、「セカイがハンテンし、テイク」(川崎市市民ミュージアム、2013)、茨城県北芸術祭(2016)で作品を発表している。ウェブサイト:http://www.newrafael.com/
_____________________________________________
【 開催概要 】
会 期:2018 年2 月10 日(土)−5 月20 日(日)
開館時間:9:00−17:00(入場は閉館の30 分前まで)
休 館 日:月曜日(祝日の場合はその翌日)
ただし、2018 年5 月1 日(火)は開館。
会 場:十和田市現代美術館
観 覧 料:企画展+常設展セット券1000 円。企画展の個別料金は一般600 円。
団体(20 名以上)100 円引き。高校生以下無料。
_____________________________________________
ラファエル・ローゼンダール:ジェネロシティ 寛容さの美学 フォトギャラリー
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為は法律で禁止されています。
開催期間
-
上位美術館・ギャラリー
画像
アクセス数
0
1
1