仙台文学館
仙台は土井晩翠、島崎藤村、魯迅をはじめとする多くの近代文学の担い手が生まれ、育ち、あるいは生涯の重要な時期に通過した場所であり、独特の文学的風土を持っています。その全体像を俯瞰するとき、多彩さと豊かさ、故郷に対する思いのふかさをあらためて実感することができます。そしてまた近年では、若くすぐれた、現代を代表するような文学者たちがここを拠点としさまざまな活動をみせています。これはかつての仙台にはなかった現象といえます。当館の初代館長である、劇作家・小説家井上ひさしの豊饒な作品世界が仙台・東北を根底にもつのであるのはいうまでもありません。佐伯一麦をはじめ次世代の有力な作家たちがこれほどならぶ都市もそう多くはありません。そしてその背景には島