石川県西田幾多郎記念哲学館
日本の哲学の歴史は、まだ1世紀を経たにすぎない。しかし、その出発点でもあり一頂点でもある西田幾多郎の思索は、2500年の蓄積をもつ哲学史のなかで、すでに古典の位置を獲得しつつある。国内外での関心の高さや研究文献の数が、そのことを如実に物語っている。「西田哲学館」は、ひとつには、このような西田の思索の跡を保存する場である。ここを訪れる人は、稀有の思想家の息吹を随所に感じとるだろう。しかし、単に過去の事跡を保存し回顧するだけが、当館の目的ではない。陳列パネルを見終わったあとは、ぜひ敷地の自然のなかを散策し、館の奥の「空の庭」で静寂を楽しみ、ゲームを兼ねて、コンピューターを駆使したバーチャルな「哲学対話」なども、試していただきたい。かつて