アルテピアッツァ美唄
ここは、1人の彫刻家・安田侃(かん)が今なお創り続ける、大自然と彫刻とが相響する野外彫刻美術館である。美唄市は、かつて北海道有数の炭鉱都市として栄えた。1973年に最後の炭鉱の灯が消え、炭鉱住宅はひっそりと静かになり、子どものいなくなった学校は閉校した。それから時が過ぎ、イタリアで創作活動を続ける美唄出身の安田が、日本でアトリエを探していた際、1981年に閉校した旧栄小学校に出合う。その朽ちかけた木造校舎には、子どもたちの懐かしい記憶がそのままに残っていた。そして、校舎の一部に併設されていた小さな幼稚園に通う子どもの姿が、彼の心をとらえた。時代に翻弄された歴史を知らず、無邪気に遊ぶ園児たちを見て、彼は思う。「この子どもたちが、心をひ