中村キース・ヘリング美術館
ごあいさつ
キース・へリングが活躍していた1980年代のアメリカは、日本の好景気とは裏腹に、インフレの激化と経済の混乱とともに治安が悪化し、まさに混沌とした社会でした。しかし反面ではアンディ・ウォーホールを筆頭にアメリカ現代美術が勢いを増していた時代でもありました。こうしたアメリカの「光と影」を背景にキース・ヘリングのアートは生まれました。へリングはストリート・アートから独特なビジュアルコミュニケーションを確立し、混沌とする社会へメッセージを投げかけたのです。
生涯を通して世界中で子どもたちとのワークショップや、壁画を含むパブリック・アート、ポスター・アート、そして社会的なプロジェクトにも力を注ぎました。当館でもエイズ・ウォークをはじめとするHIV/AIDS予防啓発のイベント、国際絵画コンクール、災害募金など、へリングの遺志を継承する活動を行っています。