白井敬尚

組版造形 白井敬尚

ARTLOGUE 編集部2017/10/17(火) - 01:19 に投稿

タイポグラフィというデザイン要素の中でも、「紙面に文字組版を配置・構成した空間を含む造形」である「組版造形」。ブックデザインやエディトリアルデザインを中心に活動を続ける白井敬尚による、待望のggg個展に付けられたタイトルでもあります。美しい装丁の数々をお見せするのと同時に、基本的には墨文字1色の見開きページがずらりと並ぶちょっと異色の展覧会となります。
  白井敬尚といえば、世界中で高く評価されているデザイン誌「アイデア」のアートディレクションが代表的な仕事の一つで、振り幅の大きい多様なテーマを取り扱う同誌のデザインを10年間に亘り手がけました。隔月刊行というスケジュールにも関わらず、その1号1号が1冊の作品集のような充実ぶりで、非常に魅力的なコレクションとなっています。
  他にもこれまでに関わってきた数多くの書籍たち。その対象となるモノ・コト・ヒトについて注意深く読み解き、丁寧に、1ページ1ページ組版を整えていきます。白井の手により形を与えられた様々なテキスト=声が、ときに軽やかに、ときに厳粛に、ときにスタイリッシュに、本の中から鳴り響いてきます。魅惑的な組版との出会いにより、忘れられない読書体験となることもあるのかもしれません。