八木夕菜「NOWHERE」
「祈りの手前」 Just before praying (2017)
八木夕菜はニューヨーク・パーソンズ美術大学建築学部を卒業し、建築デザインの仕事に携わった後、2010年から本格的にアーティスト活動を開始。2016年にはKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭にてポートフォリオ・レビューでのハッセルブラッド賞を受賞するほどの実力のある若手アーティストです。
自身の心的風景を建築的コンセプチュアルな思考から、写真自体を多次元的視点で構成される環境芸術作品に展開し、感覚と概念に裏打ちされた詩的な写真芸術を作り出しています。
その作品は、写真をただパネルや額に入れて壁に展示するにとどまらず、展示空間を建築的に構成するかのように、床に置いたり、透明のアクリルの立体を通して視ることで再構成される写真など、写真の持つ様々な表情や見え方を提案し、作品を通じて「視る」という行為の自由さに気づかせてくれます。本展覧会では新作を含む約30点を展示予定。
「NOWHERE / NOW HERE」どこにもないようで、いま目の前に在る感覚に浸ることのできる展覧会です。