ハンガリーの名窯

ヘレンド展―皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯

ARTLOGUE 編集部2017/12/16(土) - 10:08 に投稿
色絵金彩「伊万里」様式人物飾り蓋容器 1860年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

ヘレンドとは、ハンガリーの首都・ブダペストから南西に約110キロを隔てた静かな村にある磁器製作所です。1826年に創設され、ハプスブルク皇帝の保護を受けて発展し、各国の王侯貴族が愛好した名窯として今日に至るまで高い評価を得るハンガリーを代表する高級磁器窯です。
「オーストリア帝室・ハンガリー王室御用達」であったヘレンドは、19世紀後半、当時盛んに開催された万国博覧会へ積極的に出品します。万博での好評は、大英帝国のヴィクトリア女王からのディナーセットの発注やフランスのナポレオン三世妃ウージェニーの買上げなどにつながり、名声を高めていきます。その後も、時代の変化に柔軟に対応しながら、世代を超えて継承された最高の技術と品質で現在も製造が続いています。
本展では、開窯初期の希少な逸品から、バロックやロココといった伝統的な様式を踏襲した名品に加え、中国や日本の陶磁器に学んだ東洋風の作品群、そして現代の製品までおよそ150件、約230点(※)が一堂に集まります。ヘレンド190年余の歴史と、優雅で華やかな磁器の魅力をご堪能ください。