毎年春、京都市内各所を舞台に開催される「KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー) 京都国際写真祭」。日本でも数少ない国際的な写真祭として、国内外の重要作家の貴重な写真作品や写真コレクションを数多く紹介し、趣きある歴史的建造物やモダンな近現代建築で展示を行ってきました。
展示作品のクオリティーもさることながら、京都ならではの空間や街並みを楽しめる魅力もあいまって、2019年春に開催された第7回までに約73万人もの方が足を運んでいます。
回を重ねるごとに注目が高まる「KYOTOGRAPHIE」ですが、今年開催した際好評を博した展示の一部が、スペシャル・エディション「TOKYOGRAPHIE(トウキョウグラフィー)」として、現在東京に巡回中です! 2019年は「VIBE」をテーマに、国内外から様々なアーティストが参加。「TOKYOGRAPHIE」では、アルバート・ワトソン氏、関健作氏、ベンジャミン・ミルピエ氏、ヴェロニカ・ゲンシツカ氏、そしてヴィック・ムニーズ氏、以上5組のアーティストの作品を展示しています。
会場は「FUJIFILM SQUARE(六本木)」、「ZADIG & VOLTAIRE(青山)」、「アニエスベー ギャラリー ブティック(青山)」、「KASHIYAMA DAIKANYAMA(代官山)」の4箇所。「FUJIFILM SQUARE」では、アルフレッド・ヒッチコック、デヴィッド・ボウイ、ミック・ジャガーなど、時代の寵児たちのポートレートを多数撮影し、VOGUEなど世界各国の著名誌の表紙を100以上手掛けるなど、写真家として50年以上第一線で活躍し「ポートレートの巨匠」と名高いアルバート・ワトソン氏の展示を観ることができます。
人物はもちろん静物から風景まで、被写体の持つ力強さや生命力を最大限に引き出し、ヴィジュアルとしての美しさに昇華し作品に収めたワトソン氏は、まさに写真に身を捧げた人物とも言えます。ワトソンの日本初の回顧展の巡回展となる本展では、ポートレートや風景写真のほか、未公開の新作や坂本龍一のアルバム『BEAUTY』のジャケットのアザーカットも。
また、「アニエスベー ギャラリー ブティック」では、ポーランドの新進作家 ヴェロニカ・ゲンシツカ氏の作品を展示。1950-60年代のアメリカのストックフォトを用いたモンタージュ作品シリーズ「Traces」で近年注目を集めている作家です。
ゲンシツカ氏はほんの少しのダークユーモアとともに写真を再構築することで記憶を塗り替え操作し、写真の中では幸せそうに見える人々に潜在する言葉にならない葛藤や欲望など、秘められた内なるものを可視化させます。新たな気配が宿った作品には形を変えた“真実”が写し出され、ヴィンテージ家具の中に作品が並ぶ展示空間は、現実世界とパラレルに存在する別次元に迷い込んだかのような感覚へと鑑賞者を誘うことでしょう。
国内外で活躍する気鋭のアーティストの作品群を東京で体感できる「TOKYOGRAPHIE」は、まさに貴重な機会! ぜひ会場に足を運んで、アーティスト各々の世界観を味わってみてくださいね!
■TOKYOGRAPHIE
会期:アルバート・ワトソン、関健作(2019年11月29日〜12月12日)
ベンジャミン・ミルピエ(2019年11月30日〜12月15日)
ヴェロニカ・ゲンシツカ(2019年11月30日〜2020年1月12日)
ヴィック・ムニーズ(2019年11月30日〜12月8日)
会場:FUJIIFILM SQUARE、ZADIG & VOLTAIRE青山店、アニエスベー ギャラリー ブティック、KASHIYAMA DAIKANYAMA
開館時間・休館日:会場によって異なる
入場料:無料