ライターのfujisakiwithです。現在、2歳9か月の娘がいます。日々伸びやかに変化するその成長をみて、彼女の中の「感性」も柔軟に育ってほしいと思うようになりました。最近では、意識して、さまざまなアートな環境に出かけています。今回はなんと、0歳の赤ちゃんでもオペラの感動を体感できる催しに行ってまいりました!
成長に合わせた「アートな刺激」。感性の広がりを見守りたい
1歳を過ぎた頃から好奇心が芽生え、自分を取り巻く「外の世界」を意識するようになってきた娘。これから大人になるにつれて、生まれ持った個性とは別に「環境」から感性を紡いでいくのだと感じました。その頃からアートの力を借りて、娘の感性を刺激してはどうだろう?と思うようになりました。
そして現在。耳の発達が著しい時期のようです。日常の「生活音」に加え、川のせせらぎなど「自然音」を感じに出かけたり、「コンサート」を中心にお出かけ場所を選んで音楽からも感性にアプローチするようにしています。
今回お出かけした「クラシック・ミーツ・キッズ どうぶつ達のカーニバル」は、実は1歳のときにも行ったことのあるコンサート。コンサートのライブ感が与えてくれる「去年とは違う感動」はもちろん、娘の「成長に伴う新しい反応」にも目が離せない時間でした。
幼児がリラックスできるコンサート会場
近年、幼児向けの音楽イベントは増えてきていますが、「クラシック・ミーツ・キッズ どうぶつ達のカーニバル」が他と一線を画するのが「幼児の目線」で企画されている点です。
あえて床のフラットな一室にカーペットが敷かれ、靴を脱いでその上に座って音楽を楽しみます。
そして室内には、可愛らしい動物の絵が飾られ、手遊び歌や管楽器演奏、ストーリー仕立てのMCなど和やかな雰囲気でコンサートは進行していきます。加えて心強いのが、子どもが途中で泣いたり動き回ったりという、幼児の自然な行動も「大丈夫ですよ」と受け止めてくれるイベントコンセプト。出演者の方はもちろん、PA席から運営スタッフ方々まで暖かい笑顔が印象的でした。
安全面を含めイベント全般に幼児目線の心遣いがなされているとはいえ、危ないことなど「他人と共存する空間で保護者が気をつかう」という点は、公園や児童館と同じだと私は考えます。とはいえ、大人が手放しで鑑賞できないとしても、爆音が響く大ホールや張り詰めた空気の中で大がんばって聞くよりも、子どもにとっては心地よい場所。幼児の「感性」に、音楽のライブ感が届きやすいようです。
プロの仕事を至近距離で体感できる幸せ
そして今回、とくに娘の感性に響いたのがオペラ『椿姫』の≪乾杯の歌≫です。
ふんわりとした会場の空気が一変、ステージにぐっと引き込まれ、響き渡る美しい声に身をゆだねたひとときでした。
「さあ、注目!」という指摘があったわけもないのに、表現力で観客の意識を集めた、まさに「プロの仕事」。娘は興味が散漫なイヤイヤ期ですが、目をキラキラと輝かせて何かを感じ取っているようでした。
まだ自分の気持ちを言葉に表現できない年齢なので私の直感なのですが、1歳半のときは「ドレスのお姫様が可愛い」「歌ってかっこいい」「おどりたい」という感想。そして2歳9か月の今回は、せまりくる歌の迫力も感じ取ったような様子。「ドキドキしたよ」と言っておりました。
子どものイベントとはいえ子どもだましではない歌を聴かせていただき、「三田音楽家連盟」の方々に心の中でスタンディングオーベーションです。
幼児期はいつでも帰れるイベントが狙い目
今回のように「子どものため」というコンセプトのイベントでなくても、アートな刺激を楽しむことはできます。
私がお出かけで気をつけていることは、「いつでも帰れる」ということです。
幼児期の子供のご機嫌は、予想外に目まぐるしく変わります。
そのため「楽しかった」という感想を持ち帰るために、あえて5分で退出するイベントもありました。
「せっかく来たのに」という気持ちにならないよう、安い入場料や周辺の遊べる場所など出かける前にリサーチしておきます。
さらに、今まで、地域の民謡発表会から5,000円ぐらいする有名な劇団のミュージカルまで娘とお散歩してきて、強くお伝えしたいのが「主催」を下調べしてからお出かけすること。
アートを窓口にして、団体活動への勧誘が目的の場合もあります。
知って出かけるのと知らないのとでは、作品に対する感想が大きく変わってきます。
せっかくならお家に帰った後も、親子で「楽しかったね」と言える一日にしたいですね。
「感性」の成長は人生を楽しくする
娘は私と一緒にいる時間より、自立して親から離れた時間を長く過ごすかも知れません。人生には辛いことや悲しいこともあります。そのとき「豊かな感性」があれば、ささいな中にも喜びを見出し、もっと楽しい時間を増やしていけるのではないかと思います。将来、アートを創る側にならなかったとしても、感性が柔軟でその引き出しが多い方が、好みが偏らず様々な芸術をたくさん受け入れることができます。また大人になってからの「無趣味」を避けるためにも、感性を柔軟に育てたいところです!これは私自身のことですが…。
「幼児期は吸収力がある」とよく聞きます。その時期をどう生かすか。水泳やそろばんなど人気のアプローチが沢山ありますが、選択肢に「アート」を加えてみてはいかがでしょうか。水を得た魚のように反応を示すお子様もいるかもしれません。
<関連リンク>
三田市総合文化センター指定管理者JTBコミュニケーションデザイングループ主催「クラシック・ミーツ・キッズ どうぶつ達のカーニバル」詳細は公式ホームページをご参照ください
http://sanda-bunka.jp/event/archives_2018/180317.html